その条件は続くフルウェットのテスト2日目にも引き継がれ、初日午前のタイムを更新するドライバーは現れなかったが、この条件下で競争力を見せたのは2017年にTeam BMRでタイトルを獲得し、今季はFRのスバル・レヴォーグGTから同じくFRのインフィニティへとスイッチしたLaser Tools Racingのサットンだった。
2020年は参戦休止を決めたBMRのクルーを引き連れ、Laser Tools Racingにジョイントする形で移籍を決めたサットンは、新たにリビルドされた2台目のインフィニティQ50BTCCをドライブし、午前・午後ともに最速をマーク。レインタイヤで唯一、2分13秒台を切る2分12秒519を記録した。
前回のシルバーストンではチームメイトであるエイデン・モファットとマシンをシェアし、充分なマイレージを稼ぐことができなかった元BTCCドライバーズチャンピオンは、初日のドライセッションで7番手を記録したのち、ウエットでの堅実なパフォーマンスに「とても勇気づけられた」と語った。
「COVID-19のパンデミックにより、本当に長い間コクピットから離れる期間が続いていたが、こうしてシートに座りステアリングを握れて最高だし、一瞬で時間が取り戻せた感じだ」と続けたサットン。
「個人的にはすぐにマシンの“グルーヴ”を感じ取ることができ、ウエットで最速だったのも素晴らしいことだ。でも隣のガレージにいる皆が何をしていたのか把握していないし、ここからすべてを判断するのは時期尚早だ」
「でもウエットでのグリップ感はあったし、このチャレンジングなスネッタートンで競争力があるのは良いことだ。ドニントンパークでシリーズが開幕すれば忙しい時間が続く。でもこの挑戦に打ち勝ち、この最高のチームと最高の結果を手にすることを楽しみにしている」
この2日目には、今季からマーク・ブランデルが代表に就任したMB Motorsport accelerated by Blue Squareで開発ドライバーに起用された22歳の女性ドライバー、エスミー・ホウキーもBTCCデビューを果たし、初の前輪駆動ツーリングカーでウエットという難しい条件下ながら、27台中23番手のタイムを記録。
またホンダUKのファクトリー・バックアップを受けるHalfords Yuasa Racingからは、長年エースを務めるマット・ニールの子息ヘンリーも、父のFK8型ホンダ・シビック・タイプRを引き継いでトラックデビューを飾っている。


