ジロラミのマシンに押されなんとか体勢を立て直したグエリエリだったが、続くムーリッシュの右コーナーでアッティラ・タッシ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)が追突したのを契機にグエリエリ、ジロラミのALL-INKL勢が道連れに。また、ジロラミはラングフェルドに突っ込みアウディは宙を舞い、ここでグエリエリ、ジロラミの2台はレースを終え、アウディも立ち往生する事態となってしまう。

 この混乱に乗じて大きくポジションを上げたのは10番手発進だったアズコナと11番手のティアゴ・モンテイロ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)で、とくにレース1勝者アズコナは2周目に首位攻防のドッグファイトを展開していたミケリス、2番手ビョークの背後3番手にまで躍進する。

 勢いそのままに3周目のメルコ・ヘアピンでLynk&Coのインサイドを狙うも、ここは現実と同じくオーバーテイク・ゾーンとはならず。わずかにイン側バリアにヒットして失速してしまう。

 一方の4番手モンテイロは、5番手ベンス・ボルディズ(クプラ・レオン・コンペティションTCR/Zengő Motorsport)とそれを追走するエルラシェールに責め立てられる展開となるも、なんとか団子状態でポジションを守っていく。

 すると4周目のリスボアでエルラシェールが仕掛け、新鋭ボルディズをパスして5番手へ。さらに後方から迫っていたオーレリアン・コンテ(プジョー308TCR/DG Sport Compétition)もバトルに乗じて新型クプラとのサイド・バイ・サイドに持ち込むと、そのまま山側に入ったサンフランシスコ・ヒルでポジションを入れ替え、6番手に上がってくる。

 その間、ふたたび2番手ビョークに迫ったアズコナだったが、先ほどとは異なりビョークとはテール・トゥ・ノーズでメルコ・ヘアピン突入し、立ち上がろうとしたその瞬間に、ステアリング機構の通信不具合からかアウト側のバリアに直進しストップ。ブラインドになっていた停止車両に後続のモンテイロが突っ込むものの、なんとかインサイドに隙間を見つけてこれを突破。しかし、エルラシェール以下、コンテ、ボルディズらは道を塞がれ、大きくタイムを失ってしまう。

 その後、なんとか機能回復を果たしたアズコナだったが、時すでに遅く3番手走行から9位にまでポジションを下げてフィニッシュ。首位ミケリスが寧波戦に続くシリーズ2勝目をマークし、2位ビョーク、3位モンテイロがともに初表彰台を獲得する結果となった。

 これにより選手権首位エルラシェールのリードは9ポイントに変わり、ミケリス、アズコナ、オモラが続くスタンディングスに。27ポイント差まで離された5位グエリエリはタイトル挑戦が絶望的な状況ながら、7月19日(日)の『Pre-season Esports WTCR Championship』最終戦セパン・インターナショナル・サーキットでの逆転劇に望みを掛ける。

R2はオープニングのリスボアで、現WTCR王者ノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR/BRC Hyundai N LUKOIL Squadra Corse)が首位を奪う
バリアにタッチしたテッド・ビョーク(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Performance Lynk&Co)のエラーが、すべての引き金となった

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