続くトップ10リバースグリッドのレース2は、そのナジーを含む選手権トップランナーを不運が襲う展開となり、首位発進ダビドフスキーの背後では、テディ・クレーレに背後からヒットされたナジーがターン1でスピンを喫し、同郷の若手ベンス・ボルディズ(セアト・クプラTCR/Zengő Motorsport)らを巻き込んで隊列後方に大きくポジションを落としてしまう。
その後、レース序盤からポジションアップを果たしたのはマグナスで、仮想シリーズ終了後にWTCR世界ツーリングカー・カップ昇格も決まっている地元ベルギーのホープは、アルケライフィやルカ・フィリピ(ヒュンダイi30 N TCR/BRC Racing)らを次々と仕留め、4周目には2番手にまで進出する。
さらにその後方から凄まじいペースで這い上がってきたのは、オープニングラップのスピンで勝負権を失ったと思われていたナジー&ボルディズのハンガリー勢で、11周目のターン10では露払い役を演じてきたボルディズがフィリピに襲い掛かる。
勢いそのままにインサイドへ飛び込み、一時は3番手を掴んだかに見えたボルディズだが、さすがにオーバーシュートでワイドランとなり、その後の3ラップは3位フィリピ、4位ナジーの背後に付き従って5位フィニッシュ。ナジーはポイント上でも2位マグナスとの差を最小限に留める結果となり、混乱を回避し首位を快走したマケドニア出身のダビドフスキーがバーチャル空間初優勝を飾っている。
この結果、選手権首位ナジーを追う2番手にマグナスが浮上し、3位ボルディズまで戴冠の可能性が残された『TCRヨーロッパ SIM Racing』シリーズ。最終戦はスペイン・カタルーニャを舞台に、7月22日(水)に雌雄が決する。


