翌日に行われた第9戦の予選ではベルニュがポールポジションを獲得し、2番手にはダ・コスタがつけDSテチーターがフロントロウを独占した。セカンドロウにはローランド、ブエミというニッサン勢が続いている。
迎えた45分間の決勝レーススタートでは各車クリーンな出だしを見せ、上位勢は順位通りに1コーナーを通過する。しかし2コーナーへの進入でランキング2位につけるギュンターが前方を走行するマシンに接触してしまいフロントが大破、まさかのリタイアとなってしまった。
このアクシデントによってセーフティカーが導入されるが、レースは残り35分で再スタートが切られる。時を同じくしてピットレーンに雨粒が落ち始めるが、各マシンはそのままレースを続行する。

残り30分というところでDSテチーターの2台はアタックモードへと入るが、2番手を走行していたダ・コスタは大回りのため4番手まで後退してしまう。しかしすぐさま前車をかわし3番手に浮上した。
ダ・コスタはその後、2番手のローランドもオーバーテイクし元の順位へと返り咲いてみせる。そして残り27分でDSテチーターの2台は順位を入れ替えダ・コスタがトップ、2番手ベルニュというオーダーに。
3番手、4番手につけるニッサン勢も懸命にDSテチーターの2台を追うがペースは上がらず、4番手のブエミは5番手走行のニック・デ・フリース(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)にかわされてしまった。


レース残り13分でブエミはデ・フリースをオーバーテイクし、4番手へと浮上する。そして残り7分というところでトップ2台は再びポジションを入れ替え、ベルニュが首位へ立つ。
ニッサン勢もこれを見てブエミがローランドをかわしDSテチーター追撃に移るが追い抜くまでには至らない。そして4番手に下がったローランドには5番手のデ・フリースが襲いかかり、半ば強引にローランドのインをこじ開けてオーバーテイクし、デ・フリースが4番手に浮上する。
45分がたちレースはチェッカーが振られ、ベルニュが優勝、ダ・コスタ2位とDSテチーターの2台がワンツーフィニッシュを決めた。2位でフィニッシュしたダ・コスタは2戦を残してドライバーズチャンピオンに輝き、同時にDSテチーターはチームチャンピオンも確定させた。


チャンピオンを決めたダ・コスタは「僕のキャリアのなかで何度も諦めかけたことがあった。でも周りの人たちのおかげで、僕は決してそうならなかった。チームメイトのベルニュにも感謝している。厳しいライバルだけど、彼には多くのことを助けてもらったし、このチームですぐに速く走れたのも彼のおかげだ」と語った。
3位には追撃及ばずニッサン・e.ダムスのブエミが続き、デ・フリースは4位、ローランドが5位という結果になった。2019/20年のフォーミュラE選手権は8月12~13日に最終のダブルヘッダーが開催されシーズンが閉幕する予定だ。