──あの2台が接触したタイミングで、角田選手も仕掛けようと思っていたのですか?
角田:はい。シューマッハーがシュワルツマンに接近するまでは、僕がプッシュすると彼も差を広げる。その繰り返しでした。なのでシューマッハーが仕掛けるまでは、僕も後ろでじっと待っていようと。
──その辺りの駆け引きについては、エンジニアと無線でやり取りしたのですか?
角田:そこまで話はしなかったですね。エンジニアからは、「左前輪のデグラデーションに気をつけて」という無線が、何周かおきに来てました。
──攻めのタイミングなどは、自分で考えて判断したということですね。
角田:そうですね。その辺りは実際に運転してるドライバーでないと、わからない部分ですから。
──今回の初優勝で、ドライバーズ選手権でも8位から6位に上がりました。とはいえ選手権の順位や今後の見通しなど、そのあたりのことはまだそれほど意識してないのでしょうか?
角田:特に意識はしていないですが、ただシーズン序盤はあまりにも意識していなかったと思ってます。意識しないで目前のレースに集中しようと思っていたのですが、それが逆に冷静さを欠いて何度もフロントウイングを失うことに繋がった気がします。レースのことしか考えられない、余裕のない精神状態だったんでしょうね。
まだ今は6位ですし、シーズンも前半で、ランキングを意識するような段階ではない。僕の目標はあくまで、チャンピオンになることです。

