続くレース2も路面はウエットコンディションのままスタートが切られ、レース1勝者のブッチャーがポールポジションからの発進となるも、このヒートで主役を演じたのは8番手から躍進したインフィニティのサットン。
レース1は予選11番手と沈んでいた復帰組のFRサルーンは、ウエットに転じた日曜に息を吹き返しレース1を9位で終えると、続くレース2はオープニングラップで早くも5番手に進出。2周目にはヒルのシビックもかわして、ターキントンのBMWを追走する。
2番手カミッシュとのバトルを演じていたターキントンは、5周目のヘアピン出口でわずかに失速すると、その隙を突いたサットンがBMWの前へ。そのまま最終コーナーでカミッシュのシビックも仕留め、2番手でホームストレートを立ち上がり6周目へと入っていく。
このラップでも早々に首位ブッチャーのテールを捉えたサットンは、テール・トゥ・ノーズの状態でフォード・フォーカスSTの動きを見極めると、8周目突入の1コーナーでわずかにラインが膨らんだのを見逃さず、ついにトップランを奪取。そのまま4.716秒ものマージンを築いて15周を走破し、インフィニティQ50BTCCとのシーズン2勝目を飾っている。
「最初の数周は“気配を消す”ことに意識を払った。ここは狭く、まわりとの距離も近いから簡単に接触する危険性があるからね。4番手に上がってクリーンエアの状態になってからは、自分のマシンに勝てるペースがあることがわかった。ロリー(ブッチャー)がターン1でわずかなミスを犯したので、そこからはイージーな展開になったよ」と、レースを振り返ったサットン。
2位ブッチャーに続き、最後の表彰台には13周目のヘアピンでカミッシュのインを刺したターキントンが入り、BMWの王者は選手権でのダメージを最小限に留める力走を披露している。
そして日曜最終のレース3はリバースグリッドのフロントロウ2番手に並んだアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス/Carlube TripleR Racing with Mac Tools)が、スタートでポールシッターのボビー・トンプソン(アウディS3セダンBTCC/GKR TradePriceCars.com)を仕留め、地元サーキットで首位を快走。
しかし終盤はオリファント、ターキントン、そして10番手から上がってきたインフィニティのサットンと、3台のFRサルーンに追い立てられる苦しい展開に。Team BMWはチーム内の序列で2番手にスイッチしたターキントンの追撃により、メルセデスは首位陥落か……という状況まで追い込まれたところ、後続でマルチクラッシュが発生。
これにより赤旗終了となり、モーガンはからくも逃げ切りそのまま2年ぶりの勝利を獲得。2位ターキントンはサットンに対する選手権リードを19ポイントに拡大し、3位オリファントと合わせてWest Surry Racingがチームとマニュファクチャラーの両選手権で快適なリードを維持している。
続くBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦は再び2週連続開催のバック・トゥ・バックとなり、8月29~30日にスコットランドの高速トラック、ノックヒルを舞台に争われる。



