5番手から好発進を見せた好調ロリー・ブッチャー(フォード・フォーカスST/モーターベース・パフォーマンス)を警戒した3番手ヒルが、ディフェンシブなラインをとった隙を突き、4番グリッドのイングラムが3ワイドの攻防を制して前へ。行き場を失ったブッチャーのフォーカスは、グラスエリアにマシンを落とす形となる。
さらに、ターン3となる高速右コーナーの“Scotsman(スコッツマン)”でマイク・ブッシェル(ボクスホール・アストラBTCC/パワー・マックスド・レーシング)とジャック・ビュテル(メルセデス・ベンツAクラス/カールーブ・トリプルR・レーシング・ウィズ・マックツールズ)が絡むと、そこにBTCレーシングのクックが巻き込まれてこの日2度目のSCに。
レース1からの短いインターバルながら、なんとかクックを送り出そうと広範囲にダメージの及んだマシンを懸命に修復したBTCレーシングのクルーにとっては、最悪のアクシデントに見舞われる。
リスタート後も首位2台のバトルに変動なく、3番手イングラム、4番手ヒルのオーダーで進み、5周目には5番手にいたブッチャーがセクター1で仕掛けるも、これが裏目に出てコースオフしグラスエリアを滑走。オリファントやダン・カミッシュ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/ハルフォーズ・ユアサ・レーシング)にポジションを奪われることに。
さらにその後もアンディ・ニート(フォード・フォーカスST/モーターベース・パフォーマンス)のクラッシュで再度のSCとなるも、首位攻防を0.662秒差で制したサットンが27周を走破して2連勝。イングラムが3位表彰台を確保した。
「何度も言うが、正直言ってこのインフィニティQ50BTCCは、僕がこれまでドライブしてきた中でも最高の部類に入るツーリングカーだね」と、新しい愛機に最上級の賛辞を送ったサットン。
「ポールの優位性をそのまま勝利に変えられたのは素晴らしいことで、コリンを2戦連続で抑えることもできた。レース2は明らかにプレッシャーが増し、スタートから何度もミラーでの確認を強いられたから、コリンが臨む展開だったよね」
「僕はおそらく、レース1の4~5倍はディフェンスをさせられたけど、幸いなことに(レースの)残り4分の1くらいでコリンがわずかにミスを犯した。おかげでマージンが得られたんだ」
週末最終ヒートのレース3は開始早々に複数台が絡むマルチクラッシュが発生し、ふたたびSC出動の荒れた展開となるも、スタート早々にリバースポールシッターのセナ・プロクター(ヒュンダイi30ファストバック Nパフォーマンス/エクセラー8・モータースポーツ)をかわしたブッチャーが今季2勝目を獲得。
前戦は勝者クックの再車検失格により初優勝を得ていただけに「これが新型フォーカスとの正真正銘のシーズン初勝利」に。2位プロクターに続き、3位にはトム・チルトン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/BTCレーシング)が入っている。
ここまで連戦の続いたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権はここで3週間のブレイクを挟み、第5戦は9月19~20日の週末にイングランド南岸のハンプシャー州に位置するスラクストンで再開。英国が誇る最速サーキットでの勝負が待ち受ける。



