更新日: 2020.09.25 19:13
豪州SC第9戦:DJRのクルサードが今季初勝利。加熱するタイトル争いのなか遺恨残す接触も
レース後、オープニングラップのアクシデントを問われたウインカップは、自らの過失を認めつつも「チャンピオンシップを賭けた戦いの場合、それは当然起こりうること」だとその正当性を主張した。
「僕らはレースをしていて、彼はその手前のコーナーでミスを犯して失速した。もちろんダイブを決めて前に出るつもりだったが、2台並んで芝生の上を走るのは気分の良いものじゃない」と続けたウインカップ。
「ペナルティは厳しいが、もし僕がコントロールタワーに居ても同じ判断を下しただろうね」
一方の選手権首位マクラフランも、この件に関しては「リラックスしている」と語り、それよりも終盤のマスタング同士の接触の方に疑念を呈した。
「彼(ウインカップ)が隙間を狙ってくることはわかっていた。スペースを残したが、彼がロックして僕にヒットしたんだろう?」と振り返るマクラフラン。
「だから彼にペナルティ裁定が下ることは理解していたし、僕は自分にできること……ポイントを最大化するための努力に全力を傾けることを考えていた。でもホールズワースとのバトルでは僕の側にチャンスがあり、こちらの方で不可解な動きはなかったはずだ」
「僕のマシンは完全にコントロール下で、左フロントはロックしてさえいなかった。だとすればアウト側のドライバーはスペースを残すべきで、僕に何が出来ただろう? チームメイトの勝利をともに表彰台で祝いたかったが、スチュワードはそれに同意しなかった。理解に苦しむよ」
その当事者ホールズワースも、マクラフランに対しては「選手権でウインカップより優位な立場にいながら“絶望的な判断ミス”を下した」と、不満を表した。
「なぜか彼は必死でドライブしている。どうしてそうなのかは分からないが、僕は彼にスペースを残したし当てる必要はなかった。荷重の抜けたリヤがどうなるか、彼には理解できないらしい。彼はほぼ選手権を手に入れているのに、がっかりだよ」
明けた日曜の決勝2ヒートに向けた予選は、そのマクラフランが制圧して2戦ともにポールポジションを得ると、午前のレースではフロントロウ発進のSVGがタイヤ交換を引っ張る戦略で24周の勝負を制し今季3勝目。2位に今季初表彰台のアンドレ・ハイムガートナー(フォード・マスタング/ケリー・レーシング)を挟んで3位マクラフラン、4位クルサードとニュージーランド出身の“キウイ”勢がシリーズ史上初のトップ4を独占した。
そして最終ヒートのレース3は、マクラフランが通算73度目のポールからライト・トゥ・フラッグの勝利を手にし、2位のクルサードとともにDJRチーム・ペンスキーがワン・ツーを達成。3位に入ったウインカップはランキングで215ポイント差を付けられる厳しい状況となっている。
続くVASC第10戦も9月26~27日の週末に、同じく“ザ・ベンド”でのスーパースプリント・フォーマット戦を開催し、10月15~18日にはいよいよシリーズ最大の祭典である『バサースト1000』で2020年のチャンピオンが決定する。