そのまま17周を走破したルノー艦隊が幸先の良いワン・ツーフィニッシュを達成。王者が今季初勝利を掴むとともに、明日の本戦に向け最前列を確保。その背後には、3位に入ったファン-アンヘル・ロッソを先頭に、ファン-マヌエル・シルヴァ、ニコラス・モスカルディーニのホンダ・シビックSTC2000の3台が続き、ホンダ・レーシング・アルゼンティーナ by RAMレーシングも上位進出への期待感が高まった。
明けた日曜にそんなホンダ勢の望みを打ち砕いたのが、6番グリッドから発進したTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)で、フィーチャーレースのオープニングラップ早々からシルヴァ、モスカルディーニのシビックを立て続けにパスして4位にジャンプアップしてくる。
するとモスカルディーニはフィアットの1台と絡みタイヤバリアにクラッシュ。このアクシデントでこの日最初のセーフティカー(SC)出動が要請される。さらにリスタート後には、今季からTGRAに加入したエルナン・パラッツォのカローラSTC2000がオーバーランを喫し、その際にグラスエリアで拾った草葉にラジエーターを塞がれオーバーヒート。コース上に停止し、これで再びのSC導入となる。
そんな2度のSCで意識的に集中力を高めたトヨタのロッシは、再びのリスタートでホンダ最後の1台となるロッソを仕留めて3番手へ。その勢いのままルノー艦隊の牙城に挑むと、ターン1でミラのインをこじ開け2番手にまで浮上する。
するとその直後、かわされたロッソのシビックがトラブルでストップし、わずか10周の間に3度目のSCがコールされる。ここで再び流れの変わったレースは、リスタート直後の好機を伺っていた7番手スタートのルノー、アルドゥソがチャージを掛ける。
ターン3で前をいく2番手ロッシのインサイドに飛び込みトヨタをパスすると、首位をいくチームメイトに並びかけイージーに前へ。負けじと追いすがったロッシもペーニャ攻略に成功し、アルドゥソ、ロッシ、ペーニャのトップ3オーダーに入れ替わる。
直後17周目にはプライベーター・シボレーのスピンで4度目のSCが入ると、このスロー走行が祟ったか、再開後の21周目にマシンの不調を感知した3番手ペーニャがピットへ。ボックスインと同時にエキゾーストから出火し、すぐさま消防隊が消火に成功するも、ここでレースを失うこととなってしまう。
波乱だらけ5度目の再開後は、33周ファイナルラップまでのスプリントで大きなポジション変動なく進み、ルノーのダブルエースを務めるアルドゥソが今季初優勝。2位ロッシが選手権首位に浮上し、3位にもルノーのミラが入る表彰台となった。
第3戦以降も同一サーキット連戦を予定するSTC2000シリーズだが、その開催地はまだ未定のままアナウンスされておらず、10月24~25日、10月31日~11月1日の週末に連続開催が予定されている。


