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投稿日: 2016.11.08 16:15
更新日: 2016.11.08 16:20

TOYOTA GAZOO Raacing NASCARテキサス レースレポート


海外レース他 | TOYOTA GAZOO Raacing NASCARテキサス レースレポート

2016年11月8日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第34戦テキサス
カール・エドワーズが起死回生の勝利!
“チェイス”最終戦進出を決める

 テキサスで行われたNASCARスプリント・カップ・シリーズの第34戦は雨で6時間近くスタートが遅れ、最後も雨により短縮終了。このレースをカール・エドワーズが制し、4人で争われる“チェイス”最終戦への切符を手に入れた。

 エクスフィニティ・シリーズではエリック・ジョーンズとダニエル・サレスが4、5位フィニッシュを果たし、“チェイス”圏内を維持。

 キャンピング・ワールド・トラック・シリーズではマット・クラフトンが終盤首位を争うも惜しくも2位フィニッシュとなった。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第34戦 AAA Texas 500
開催日:11月6日

カール・エドワーズが起死回生の勝利!
“チェイス”最終戦進出を決める

今季3勝目を挙げ、“チェイス”最終戦の4人へ入ったことを喜ぶカール・エドワーズ
今季3勝目を挙げ、“チェイス”最終戦の4人へ入ったことを喜ぶカール・エドワーズ

 11月6日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第34戦「AAA Texas 500」が開催された。

 全36戦で争われているシリーズも残り3戦。終盤の10戦で上位ドライバーがタイトルを争う“チェイス”も第3ラウンドの2戦目となった。今大会と次のレースで、8名から4名へと対象ドライバーが絞られ、最終戦でタイトルを争うこととなる。

 トヨタ勢ではデニー・ハムリン、マット・ケンゼス、カイル・ブッシュ、カール・エドワーズの4名が現在“チェイス”の8名に残っている。しかし、第3ラウンドの初戦、前戦マーティンズビルでジミー・ジョンソン(シボレー)が勝利を挙げ、最終戦の4つの椅子のひとつを確保したため、トヨタの4名のドライバーを含む、7名が残り3つの椅子を目指して争っている。

 ここテキサスでは、カイル・ブッシュ、ハムリンともに過去2勝。ケンゼスとエドワーズも、トヨタ移籍以前にそれぞれ2勝、3勝を挙げており、残る3つの椅子をトヨタ勢で占めるべく臨んだ。

 6日(日)、決勝レースは午後1時過ぎにスタートが予定されていたが、降雨のためにスタートは順延。約6時間にもわたる順延の末、午後6時55分にセーフティカー周回のまま、1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタートした。

 当初は昼間のレースとして予定されていながら、完全なナイトレースとなったこともあり、各車レースを戦いながらセッティングの変更を強いられることに。

 トヨタ勢では、7番手スタートのケンゼス、9番手スタートのエドワーズが序盤からトップ10を走行。30周目のコンペティション・コーションの後は70周以上に渡ってイエローコーションが出ない展開となり、次々に周回遅れとなっていったが、トヨタ勢の4台は首位と同一周回でのレースを続けた。

 中盤には、カイル・ブッシュの車両に異物が当たって車両前部に穴が空くというアクシデント。

 この修復のためにタイムをロスしたカイル・ブッシュは首位と同一周回の最後尾へと後退を余儀なくされたが、その時点で首位と同一周回は19台。カイル・ブッシュはここから追い上げを開始した。

 ハムリン、ケンゼス、カイル・ブッシュの3台は前戦マーティンズビルでトップ10フィニッシュを果たし、ランキングでも2、3、4位と最終戦進出ライン内につけているが、エドワーズは前戦突然のタイヤバーストでクラッシュを喫し36位に終わり、ランキングでも8位に後退してしまったため、必勝態勢でプッシュ。

 レース後半、再び長いグリーンフラッグランの展開になると、“チェイス”からは惜しくも脱落したマーティン・トゥルーエクス・Jr.との首位争いを展開し、その長いグリーンフラッグランが終わって出されたイエローコーション時、素晴らしいピット作業に助けられて首位に浮上。

 再スタートも決めたエドワーズは、“チェイス”のライバルでもあるジョーイ・ロガーノ(フォード)の猛追を受けるも首位を堅守。

 290周目、再び雨が降り始め、イエローコーションに。雨は強さを増し、3周で赤旗が出され、車両はピットロードに停止した。

 この時点で現地時間は夜の10時を回っており、この後コースを乾燥させてレースを再開させるのには少なくとも2時間はかかるため、レースはこの時点で終了となることが決定。

 エドワーズが今季3勝目を挙げるとともに、トヨタ勢では最初の“チェイス”最終戦進出を決めた。昨年はフェニックスで雨にたたられ、“チェイス”最終戦進出権を失ったエドワーズにとって、今年は恵みの雨となった。

 カイル・ブッシュが5位、ケンゼスが7位、ハムリンが9位と他の3名も着実にトップ10フィニッシュ。

 しかし、残る椅子は2つ。ポイントではトヨタの3名にロガーノを含めた4名がわずか2ポイントの間に入っており、次戦はこの2つの椅子を巡って更に厳しいレースが展開されることが予想される。

 “チェイス”第3ラウンド最終戦となる次戦第35戦は11月13日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー カール・エドワーズ:
「楽しいレースだった。プレッシャーは相当なものだったが、やるべきことを成し遂げられた。クルーチーフとピットクルーが素晴らしい仕事をしてくれて、トップでピットアウトさせてくれた。そのおかげで勝てた。これで最後のタイトル争いに加われる。それこそが今年ずっと目指していたことだ。(最終戦の)ホームステッドが待ちきれない。きっと強さを見せられるはずだ」

<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出。

“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントはリセット。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。


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