この短いレインシャワーを味方につけたのが3番手だったSVG/タンダー組の97号車コモドアZBで、ウォーターズ/デイビソン組をコース上で仕留めて首位浮上に成功。そのままタンダーにバトンを繋いでいく。

 100周目に3度目のSCで隊列が圧縮されたタイミングでも、リスタートで首位を守ったSVG/タンダー組は、残り3周のSC明けで再び”3ラップ・スプリント”を強いられるも、ラストスティントを担当したSVGがファイナルラップ目前にも関わらず、この日の全体最速となるファステストを記録して後続を突き放し、見事にトップチェッカー。

 161周の攻防を制し、これで4勝目となったタンダーとのタッグで、SVGも自身待望の『バサースト1000』初制覇を成し遂げた。

「今日はレースを通じてノーミスだったことが成功を呼び込んだ。最後のドッグファイトはとてもクールだったね! 父と母に電話したら、すでにお祭り騒ぎで酒を飲んでいたよ」と、喜びを語ったSVG。

「前半スティントはライバルの後方に着く展開だったが、テール・トゥ・ノーズでは熱の問題が起こり、エアロバランスを失いかねないから意図的に距離を取っていた。最後の60周はずっと全開で、強烈なドライブだったし楽しかった。最終スティントでは毎ラップ2分06秒台を刻めたのも最高だったね」

 2位ウォーターズ/デイビソン組、3位モスタート/ラフ組を従えたこの勝利は、ホールデンの歴史上34度目の『バサースト1000』制覇となったが、2020年限りでブランドが消滅するホールデンにとっては文字どおり“最後の勝利”に。

 RBRAのトリプルエイト・レースエンジニアリングは、2021年シーズンもコモドアZBのボディで戦うことを決めているが、オーストラリア市場から消えるブランド名を掲げることはせず、同時並行で2022年のGen3『シボレー・カマロ・スーパーカー』を開発しながらシリーズを追うこととなる。

ホールデンの歴史上34度目の『バサースト1000』制覇となったが、2020年限りでブランドが消滅するホールデンにとっては文字どおり”最後の勝利”に
最終スティントはクールスーツのトラブルを抱えながらも、ウォーターズ/デイビソン組が2位に入った
5位で最終戦を締めくくった王者スコット・マクラフラン(フォード・マスタング/DJR Team Penske)は、来季の北米インディカー本格参戦に向けVASCを卒業する意向を示した

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