続いてレース1トップ10のリバースグリッドで争われた30分間のレース2は、前戦10位に入っていたヌネスが、レース2を見越した戦略的判断でポジションを守り、そのままシーズン初のトップチェッカーを受けた。
「最初のヒートを戦っている時点で、上位進出よりレース2で勝負権を得る方向に切り替え、レース中に多めの給油を行うリスクを取った。それでも計算上は10番手でトラックに復帰することができ、リバースポールを確保できると思っていたんだ」と、パルクフェルメ規定を最大限活用する戦略を明かしたヌネス。
「でも、それを実現させるためには(レース1で争った)カカ(・ブエノ)をなんとしても11番手に抑えておく必要があった。レースペースは良かったし、ピット作業も完璧で、僕の“FAN PUSH(SNSファン投票で使用上限回数の決まるオーバーテイクボタン)”もうまく管理することができた。コンマ6秒差だったけどこの差は大きかったね」
一方、その背後では2番グリッド発進の3連覇王者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC)に対し、3番手のロッシが喰い下がる展開に。隣国アルゼンチンではスーパーTC2000(STC2000)のトップランナーとして4度のタイトルを経験する男が、今季デビューのSCBでもいよいよその速さを披露。
5周目にはチャンピオンのクルーズがトラブルに見舞われ、黒煙を吐きながらコースサイドにストップしたことでロッシが労せずして2番手を得ると、トップ10圏外から進出してきた15番手スタートのリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)や、同じく12番手発進で開幕勝者でもあるリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ)を振り切り2位フィニッシュ。デビューイヤーで初表彰台を獲得する結果となった。
「双方のシリーズで成功を収める瞬間を待ち望み、今も懸命のサポートを続けてくれているトヨタ・アルゼンティーナとトヨタ・ブラジルに心から感謝を捧げたい。すべての努力の背後には、語り切れないほどの物語があるんだ」と周囲への感謝の言葉を捧げたロッシ。
この週末を4位、14位で終えたトヨタのラモスが選手権首位を守り、14点差でゾンタが追う展開は変わらず。3番手にマウリシオ、4番手バリチェロ、5番手カミーロのトップ5に変わり、次戦は11月7~8日にクリティバでのダブルヘッダー戦が待ち受ける。


