この直後、ティモ・グロックがストップしレースは2度目のSCランに。32周目、仕切り直しのリスタートが切られると、今度はDRSを得たミューラーがラストに襲いかかる。粘るラストだったが、34周目のヘアピンでついにミューラーが再逆転に成功する。
ファイナルラップでの両者のギャップは0.622秒。みたびのオーバーテイクの可能性も残されていたなか、ミューラーがラストを追撃を振り切ってトップチェッカー。タイトル獲得の可能性をレース2につなげてみせた。3位はグリーン、4位にロイック・デュバル(アウディスポーツ・チーム・フェニックス)が入り、ロッケンフェラーが5位に。フラインスは7位フィニッシュとなりタイトル獲得の可能性が消滅している。
「壮絶なレースだった! 接戦になることは分かっていた。この勝利にはチームが大きな役割を果たしてくれた。ピットストップも戦略も完璧だったよ」と勝者ミューラー。
敗れたラストは「まだ13ポイントのリードがある。その観点から言えば、このレース後もすべてが順調であると言える。日曜日に表彰台を獲得することでタイトルを獲得するには充分だ」と余裕も感じさせるコメントを残した。
その一方でレース中は周回数を間違えていたことを明かしたラスト。
「終盤に向けて、周回数をカウントダウンし最終ラップに決定的なアタックを仕掛けたいと思っていた。4、3、2……と思っていたら、もうチェッカーフラッグが出ていたんだ。驚いたよ」
「念の為レースコントロールを訪れたが、トップ車両がフィニッシュラインを通過すると自動的にラップが表示される、と説明を受けた。おそらく僕が(トップと)近すぎて最終ラップの表示を見ていなかったのだと思う」
このレース1を終えてラストの獲得ポイントは325ポイントに。対するミューラーは312ポイントとなった。レース2の最大獲得点数はポールポジションの3ポイントを含めて28点。ラスト優勢であることに変わりはないが、ミューラーの逆転戴冠も充分に可能だ。レース2決勝は11月8日(日)日本時間21時30分にスタートを迎える。


