更新日: 2020.11.17 13:05
WTCR最終戦:ホンダ、奇跡の勝利も届かず。Lynk&Coのエルラシェールが最年少タイトル獲得
ここで首位ジロラミは選手権を争うチームメイトをサポートするべく減速し、残り2コーナーでポジションを入れ替えてフィニッシュラインへ。この結果、グエリエリは6位に終わったエルラシェールに対し16点差まで詰め寄ることに成功した。
「このトラックで3月にテストしたとき、似た条件になることを知っていた。路面が乾くのがなぜこんなに遅いんだろうと疑問に思っていたこともあって、今回の作戦も『OK、やってみよう』となったんだ」と、決断の理由を明かすグエリエリ。
「そして今日の勝利はネストールのものだった。この5点は小さな武器になるだろうし、僕らはチームとして戦略的、かつ賢くプレーした。彼の献身に心から感謝している」
しかし、そのグエリエリのわずかな希望はレース2スタート直後に潰えることとなり、今度はドライ路面で中団のパックから上位進出を目指したFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRは、2コーナーからの攻防で前を行く僚友タッシとベンス・ボルディズ(クプラ・レオン・コンペティションTCR/ゼングー・モータースポーツ)のバトルに巻き込まれる形で、グエリエリがボルディズのリヤに追突。
これで新型クプラはスピンを喫し、グエリエリは右フロントを破損し万事休す。ミューラーがライト・トゥ・フラッグでの完勝を決め、2位には抜群のスタートでジャンプアップを決めたベルネイ、3位にミケル・アズコナ(クプラ・レオン・コンペティションTCR/ゼングー・モータースポーツ)の続くポディウムに。
そして連続6位入賞を果たした24歳のエルラシェールが、叔父とのランキング1-2体制というオマケ付きで、史上最年少でのドライバーズタイトル獲得を決めた。
「今年はイヴァンとともにチームメイトとして戦う環境を手にし、叔父はゼロからすべてを僕に教えてくれた。カートの経験もないし、7年前にはレースカーにすら乗ったことがなかったから、本当に大きなことを成し遂げたと思う。最後の瞬間はとてもとても長かったけれど、今僕らが世界チャンピオンなんて信じられないほどだよ!」と、喜びを語ったエルラシェール。
続く15時からのレース3もポールシッターのウルティアが1度も先頭を譲らずポール・トゥ・ウインを決め、今季16戦目で11人目のウイナーになると同時に、WTCRでのキャリア初勝利を獲得。
2位エルラシェール、3位ベルネイに続き、10番手スタートのミューラーが4位に入ったことで、Lynk&Coシアン・レーシングもチームタイトルを確定し、スウェーデンと中国の連合艦隊が大団円でシーズンファイナルヒートを締めくくっている。
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