BTCC最終戦:インフィニティQ50のアシュリー・サットンが、自身2度目のタイトル獲得
早朝から豪雨に見舞われたトリッキーなコンディションで抜群の速さを披露するFK8シビックに対し、その眼前に立ちはだかったのがもう1台のジャパニーズ・モデル、日本名“スカイライン”のインフィニティQ50。
3番グリッド発進だったサットンは、カミッシュと同時にフォードを攻略すると、FK8シビックを巧みに抑え込む。しかし4周目のヘアピン“Druids(ドルイド)”でFRサルーンのオーバーテイクに成功したシビックは、そのまま首位カローラのテールへと迫っていく。
すると、その直後には後続のアクシデントでセーフティカー(SC)が導入されギャップが消滅すると、リスタートを「待ってました」とばかりに、ふたたびヘアピンのインサイドに文字どおりスライドしながら飛び込んだシビックがカローラを抜き去り勝負あり。
その背後では路面の雨量とFRの車両特性がマッチしたか、レースペースを上げてきたサットンのインフィニティがカローラのテールに張り付き、22周目には“Surtees(サーティース)”でのサイド・バイ・サイドを制して2番手に浮上。タイトル戦線に喰い下がる勝者カミッシュに対し、この追撃の最中にファステストラップを記録して、ボーナスポイントも加算した2位サットンが選手権首位に返り咲き。3位にトヨタのイングラムと、日本車勢が表彰台を独占する結果となった。
一方、この雨天でのペースに苦しんだのが4冠王者のターキントンで、予選8番手からほとんどポジションを上げることができず9位でフィニッシュ。その流れは24周のレース2でも同様で、ドライへと回復方向のトラックで各車のタイヤ選択が分かれるなか、なんとか4位まで挽回したものの、前を行く勝者サットン、2位イングラム、3位カミッシュもスリックタイヤで滑りやすい序盤をしのいで、連続ポディウムを確保する。
これでサットンは大量リードを手にし、この時点でイングラムはタイトル争いから脱落。カミッシュも最終ヒートで勝利とファステストラップ獲得がマストという、厳しい状況へと追い込まれた。
そして迎えた2020年最終のレース3。いたずらな天候はここでも気まぐれを起こし、スタート直前にまたも雨量を増したことで、トップ12リバースグリッドのレースは難コンディションでのスタートに。
ここでレースを支配したのは3番手発進だったフォードのブッチャーだが、すでに王座獲得の権利は潰えたあと。レースの焦点は中段でもがくタイトル候補たちのポジション争いに。
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