スタートで7番手にまで躍進したターキントンのBMWだったが、その勢いを上回ったカミッシュのシビックは、一時3番手にまで浮上する。しかしその状況では逆転タイトルに充分でなく、BMWの背後を悠々とクルージングして追走したサットンのインフィニティは、19周目にペースの鈍った王者ターキントンを仕留めて直接対決も制し、6位でフィニッシュラインへ。
最終レースの勝者ブッチャー、2位に週末3戦連続表彰台のイングラム、3位に自らの契約更新を祝うヒルが続いたポディウムの背後、4位にカミッシュが続くも、ファクトリー・ホンダの逆転チャンピオンはならず。サットンがレーザーツールス・レーシングとチームBMRのジョイント1年目、インフィニティのシリーズ復帰初年度で、見事にドライバーズチャンピオン獲得の栄冠を手にした。
「僕らのようなインディペンデント・チームが、総合でのタイトルを勝ち獲るのは絶対的に夢のような話なんだ。ともに戦ったレーザーツールス・レーシング、BMRエンジニアリングのメンバー全員にお礼を言いたい。彼らを誇りに思うよ」と、喜びを語った新王者サットン。
「この週末は土日を通じてミックス・コンディションになることが分かっていた。予選ではウエットでポールを逃し危機感を募らせていたけど、今日は完璧なポジションで戦い、レース2ではドライでのペースも良くて正直驚いたんだ」
「選手権のポイント差なんてツーリングカーでは合ってないようなモノで、1レースですべてがひっくり返る状況を数多く目にしてきた。最終ヒートはコリンの背後につけ、何もアクションを起こす気はなかったが、彼のドアが空いたので初めて行動に出たんだ」
「観客やファンと一緒に体験できないのは本当に残念だが、年間を通して良いショーを開催しようと努めてきた。自宅からサポートしてくれたみんなも、このタイトルを喜んでくれているといいね」
これで2020年の全9戦を無事に終えたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、すでに2021年の暫定カレンダーも発表済み。全10戦を予定するシーズンは、今回のフィナーレとなったブランズハッチ・インディで4月の幕開けを予定している。


