2020年シーズン時点で、WTCRにフルエントリーを果たした女性ドライバーは存在していないが、その登竜門たる欧州格式のTCRヨーロッパ・シリーズで史上初の女性ウイナーに輝いたジェシカ・バックマンは、このタイトル制定を歓迎するとともに「必ず、WTCRにデビューしたいという意欲がさらに高まった」と述べた。
「もちろん、私の目標は世界的なツーリングカードライバーになることだし、プロとしてWTCRの舞台で戦いたいという野心を持っている。そこにたどり着くのは困難な道のりかもしれないけれど、TCRヨーロッパで確固たるポジションを確立し、WTCRの水準にあることを示し続ける必要がある」と、兄妹で名門ターゲット・コンペティションのヒュンダイi30 N TCRに乗るバックマン。
「このスポーツで本当に気に入っている部分は、男性や女性であることに関係なく、マシンの性能を最大限に引き出す技能をおなじ舞台で競えること。それが可能なスポーツは数えるほどしかなく、男性と対等の立場で成功できる可能性があると感じている」
そして、2020年にスタートした“WTCRルーキードライバータイトル”は名称変更され、2021年から“WTCRジュニアタイトル”に改称。初代ウイナーのジル・マグナスを筆頭に若手ドライバーの参入を促す狙いを持つタイトルで、参加資格は2021年1月1日に24歳以下である必要があり、かつ2019年より前にWTCRでのレースを経験していないドライバーに限られる。
21歳のマグナスや、2020年に史上最年少チャンピオンとなった24歳のヤン・エルラシェールなど、近年は参戦ドライバー層の若年化が進んでおり、昨季エントリーした29名のうち13名は25歳以下で、うち3名が10代。最年少はジャック・ヤングの18歳となっていた。
