欲を言うならば、琢磨に追い付き、そして追い越そうとする若い日本人ドライバーの出現も期待したい所である。琢磨が現役で走り続けている間に、その姿を見てみたい。

F1では今年から角田裕毅がアルファタウリからフル参戦することが決まった。7年ぶりの日本人ドライバーのフル参戦である。

 その角田を琢磨はどう見ているのだろうか?

「角田選手がアルファタウリに決まったのは本当によかった。ホンダのドライバーとしてF1に出るのは僕以来らしいですね。ぜひとも頑張って欲しい。F2でしっかり成績を残しアピールして上がってきたわけだし、彼はしっかり戦えると思います。心配はしていません」と琢磨。

 わずか20歳、2000年生まれの最年少ドライバーとしてF1デビュー。最短距離でF1に届いた角田に、琢磨はどんな言葉をかけるのだろうか?

「僕が彼にアドバイスをできることは、直接言います(笑)。近いうちに会う機会もありそうだし、特にまわりに聞かせる必要もない。でも彼がF1に行ってくれたことによって、若いドライバーは刺激になったのは間違いないでしょう」

「角田選手は鈴鹿レーシングスクール(SRS)を卒業しているわけだし、今の生徒たちもよい目標にしてくれると思います」

「SRSでも2020年はスケジュールが変わってしまって、僕もなかなか鈴鹿に行けなかった。でも講師陣の方ともレポートをいただいたり、綿密に連絡を取り合っていましたが、2021年はSRS-K(カート)と共にSRS-F(フォーミュラ)の方も、しっかりサポートして行きたいと思っています」

 現役で走り続けることで、若いドライバーたちに「何かを感じて欲しい」と見せ続けてきた琢磨。2度のインディ500優勝は十分すぎるほどの成果だが、若いドライバーたちが追い続けるには、高い険しい目標ほど挑みがいがあるものだ。琢磨が残していく足跡と、それを追う若者たちに期待を寄せる2021年だ。

鈴鹿レーシングスクール校長として育成にも尽力する佐藤琢磨
鈴鹿レーシングスクール校長として育成にも尽力する佐藤琢磨

琢磨の優勝マシンも展示されるツインリンクもてぎのホンダコレクションホールで撮影する佐藤琢磨
琢磨の優勝マシンも展示されるツインリンクもてぎのホンダコレクションホールで撮影する佐藤琢磨

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