これにより、設立の2004年以来チームを率いてきたデビッド・バートラムが組織を離れ、オランビーが新代表、オズボーンがマネージングディレクターに就任。この際、AmDはTBL枠の1台分を新組織のモーターベースに持ち越して4台分の参戦枠を確保し、残る1台分をSWMに売却し、カローラ2台体制のプログラム拡大が実現した。
また、AmDのサテライトとしてアウディS3セダンBTCCを走らせたトレード・プライス・カーズ・レーシング名義のTBLはヒュンダイ陣営のEXCELR8に移管され、チーム・パーカーが持っていた2台分の枠は、片方が引き続きチームHARDに残り、もう一方はカール・ボードレーとともにLTRへ移籍し、3台目のインフィニティに充てられる。
「こうして2台体制への拡張を実現できたのは本当に素晴らしいニュースだ」と語るのは、2020年からTOYOTA GAZOO Racingのサポートを得て、ファクトリー支援チームに昇格したSWM代表のクリスチャン・ディック。
「過去7年間にシングルカー体制で達成したことは信じられないほどで、心から誇りに思っている。2台以上、複数台のマシンを走らせている多くのチームを上回り、スコアを上げたんだからね。これはかなりの偉業だよ」と続けたディック代表。
「我々は昨シーズンの終わりに向け、間違いなくこの分野で最速のクルマを手に入れた。来季ガレージに並べる2番目のカローラで何が達成できるか。本当に楽しみにしている」
SWMは直近にも長年のエース、トム・イングラム離脱を発表したばかりだが、ディック代表は2台のカローラを託す新たなドライバーラインアップを「今月末にも発表する予定だ」としている。
そして旧態化が進んでいた3代目メルセデス・ベンツAクラスで戦ってきたシシリー・モータースポーツは、WSR製のBMW 330i M Sportにスイッチすることを表明していたが、アダム・モーガンに並ぶ2台目のマシンには、ホンダ陣営から移籍のチルトンを起用するとアナウンスした。
2020年までBTCレーシングのFK8型ホンダ・シビック・タイプRをドライブしたチルトンは、僚友ジョシュ・クックがタイトル戦線で活躍を演じる傍らで、ドライバーズランキング10位に終わっている。その苦境から心機一転し、2021年はFRマシンのステアリングを握ることを決めた。
「彼らの新しい時代に参加することを本当に楽しみにしている。シシリーは素晴らしいチームであり、BMWは非常に競争力があるからね」と、意気込みを語ったチルトン。
「僕のラッキーナンバーであるカーNo.3を、2022年には“1”に変えたいと思っているんだ。それは秘密でもなんでもない僕の野望で、チームが目標を達成するために必要なプラットフォームを提供してくれると確信しているよ」


