一方、その4番グリッドにいたニコラス・モスカルディーニ(ホンダ・シビックSTC2000/プーマ・エナジー・ホンダレーシング)は、8番手から猛然とスパートしてきた2017、2018年連覇のファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・カストロール・チーム)と接触し、大きくポジションを失ってしまう。
その混乱に乗じて上位進出を果たしたのがトヨタのロッシで、土曜の不振から12番手スタートを強いられていたカローラ使いは、シボレーYPFのトーマス・ガリアルディ-ジェネ、FDCモータースポーツのプライベーター・シトロエンに乗るマルセロ・チャロッキ(シトロエンC4ラウンジ)を立て続けに仕留め、すぐさまトップ10圏内に入ってくる。
その後も力強いレースペースを刻んだロッシは、4番手にいたレイバーがパンクで離脱したのにも助けられ、20周目にはウルセラを捉えて3番手に浮上してくる。このペースを見た首位ペーニャもペースアップを強いられると、23周目にはマネージの甲斐なくルノーのタイヤも限界を超え、パンクを喫して敢えなく首位陥落の憂き目に。
そのまま最長周回数の30ラップを走破したロッシが先頭でフィニッシュラインを駆け抜け、0.508秒差でウルセラを振り切り今季5勝目を獲得。3位には土曜の失意を挽回するパフォーマンスを披露したカナピノが入り、プライベーターとファクトリー仕様、2台のシボレーが表彰台圏内でトヨタに喰い下がる結果となった。
その背後、4位には前戦からの好調さを維持したシトロエンのチャロッキ、5位には元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ(トヨタ・カローラSTC2000/TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニア)が続き、元跳ね馬ドライバーもFFツーリングカーで久々のポイント獲得を果たしている。
ウインターリーグ的に年をまたいでの開催となっているSTC2000の2020-21年シーズンも残すは2戦。続く第9戦からは同一サーキット連戦で再びブエノスアイレスに戻り、2月6~7日と13~14日の日程でこの難しいシーズンのフィナーレを迎える。


