2番手に今季からマスタングにスイッチしたTeam Cool Drive Racing(チーム・クールドライブ・レーシング)のティム・スレイド(フォード・マスタング)が続き、フォード勢がフロントロウを独占。セカンドロウ3番手にホールデン最上位のSVGが入り、その背後にパスカーレ、レギュラー復帰のウィル・デイビソン(DJR/フォード・マスタング)と、マスタング勢が包囲するグリッド順となった。
そのまま午後にスタートが切られた2021年最初の250kmレースでは、オープニングの10周でふたたび波乱が巻き起こり、移籍初戦で気合の入っていたパスカーレが、3番手浮上直後にシェルV-Powerカラーのマスタングを御しきれずウォールにヒット。これでいきなりセーフティカー(SC)導入が宣言される。
するとここでフォード勢に負の連鎖が巻き起こり、首位ウォーターズがグリーンフラッグを待たずにパワーステアリングの問題でガレージイン。レース中断前からそのテールに迫っていた2番手SVGが、労せずしてトップのポジションを手に入れる。
さらにレース終盤にはダウンヒル進入の“フォレスト・エルボー”でオーバースピードとなったスレイドが、激しくウォールに激突。このアクシデントにより、マスタング初戦を飾ることなく週末の戦列を去ることとなった。
これで楽になった2020年の『バサースト1000』勝者SVGは、背後に迫って来たモスタートとのマージンをコントロールする余裕で今季初勝利。開幕初戦を制し、最高のスタートを切る結果に。
続く日曜もSVGの勢いは衰えず。計時予選、トップ10シュートアウトで最速を奪うと、2位ウォーターズ、3位モスタートを従えてトップチェッカー。週末フルマークの300ポイントを獲得して、選手権でもロケットダッシュを決めている。
「両日の予選、決勝ともホールデン、フォードの両メーカーが本当に接近した勝負を繰り広げた。日曜のレースも一旦マスタングに先行を許したけど、僕らはそれを覆して勝利を得られたね。これほど接近したレースを僕は心から歓迎し、愛している」と、完全制圧の喜びを語ったSVG。
こうして平穏無事に2021年開幕を迎えたRSCだが、続くシリーズ第2戦は3月20~21日の週末にサウンダウンでのスーパースプリント戦が予定されている。


