一方、スタートで開幕ウイナーのアルファロメオに道を譲っていたキングも、終盤にホールズワースを捉えて2番手に復帰する。しかしこの頃には先頭とのギャップが25秒まで拡大する圧倒的な展開に。

 雨量増大でレース距離短縮の決定が下され、最終的に14周でチェッカーが振られたものの、この時点でモスタートは僚友キングに32秒298ものリードを築いてフィニッシュ。自身のTCR初勝利をシリーズ最大記録となるギャップで飾り、他を2秒も圧倒するファステストラップもマークする、記録ずくめの勝利となった。

「退屈? いや、とても楽しかったよ。水が溜まって池になっているところは怖かったけどね。ポールからクリアな視界を活かしたいと考えていたし、そのとおりの戦略が実行できた。すべてが計画どおりさ」と、喜びを語ったモスタート。

 この結果、明けた日曜のレース2をふたたびポールからスタートしたアウディRS3 LMSだったが、ドライとなったこの日は前日と異なる展開となり、オープニングラップでGRMのプジョー308TCRに乗るアーロン・キャメロンと、チームメイトのキングに先行され3番手にドロップしてしまう。

 ホームストレートエンドで伸びを見せるアウディの特性を活かしたキングは、すぐさまプジョー攻略に成功して首位に躍り出ると、キャメロンvsモスタートの2番手争いが激化。

 ラインを交錯させアウト・インを入れ替えながらの攻防は5周目に決着し、モスタートが前に出てまずはアウディのワン・ツー体制を取り戻す。ここからチームメイトに対する猛追が始まり、7周目には早くもサイド・バイ・サイドの状態に持ち込むと、レース終盤までアウディ同士の死闘が続いていく。

 12周目のターン1ではインサイドの芝生に2輪を落とし、スライド状態でキングのテールに張り付きスピンを堪えたモスタートは、ファイナルラップを前にターン1から左右コーナーの続くセクションで並走すると、ターン4のインを奪ってついにポジションを奪還。そのまま15周のトップチェッカーを受け、ドライでも大逆転の連勝を飾っている。

 最終のレース3も終盤までリードを維持したモスタートだったが、週末好調だったアウディがここでトラブルから突然スローダウンを喫しピットへ。代わって大ベテランのジェイソン・バルグワナ(プジョー308TCR/GRM)がシリーズ初優勝を決めている。

 続くTCRオーストラリア第3戦は、4月2〜4日の週末に“聖地”バサースト、マウントパノラマでの6時間耐久イベントが予定されている。

R2でアウディ勢に挑んだアーロン・キャメロン(プジョー308TCR/GRM)だったが、最高速の差で苦戦する展開に
アクシデントやトラブルで戦列を去ったMPCのアウディ勢を出し抜き、R3でTCR初勝利を挙げたジェイソン・バルグワナ(プジョー308TCR/GRM)

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