更新日: 2021.05.11 14:29
BTCC開幕戦は中断多発の乱戦に。BTCホンダのクックが連勝発進。王者インフィニティも勝利
そんな実力派ぞろいの上位グリッド順が、翌日レース1のスタートで波乱を呼ぶことになり、高速1コーナーの“アラード”に向けて首位を維持したサットンだったが、さらにそのインサイドには同じFRマシンを操る3番手ターキントンのBMWが鼻先をねじ込んでおり、2台は軽く接触。これでリヤを押されたサットンはたまらずスピンを喫し、車列最後尾まで転落する事態となる。
これで首位浮上に成功したクックのホンダ・シビックに対し、ヒュンダイのステアリングを握るイングラムとヒルのフォードが追走する展開となり、ターキントンは4番手へと後退。さらにトップ10圏内のバトル中には、ジャクソンのフォード・フォーカスSTを軸にシェドンのホンダ・シビックとクリス・スマイリー(ヒュンダイi30 Nファストバック)が絡むクラッシュが発生し、早速のSCが導入される。
この混乱のピリオドを前に5番手ブッチャーの背後まで浮上したのが11番手発進だったパワー・マックス・カーケア・レーシングのジェイソン・プラト(ヴォクスホール・アストラBTCC)で、7周目のリスタート後から老獪なアタックが始まる。
このバトルの応対で前を追うのが難しくなったカローラはジリジリと後退し、13周目にはサイド・バイ・サイドの状態でともに失速。これで漁夫の利を得たのがカミッシュで、つねに背後で機会を窺っていた12番手発進のシビックが一気に5番手浮上に成功する。
前方ではリードを拡大し続けた首位クックが、約2秒強のギャップを作り出して19周のトップチェッカーを受け今季初優勝。2番手イングラムもヒュンダイの最高位タイとなる表彰台を獲得し、3位にはターキントンからの猛追をしのぎ切ったヒルのフォードが滑り込んだ。
さらにレース後には4位ターキントンにスタート時の接触に対するタイム加算ペナルティが課され、17秒の追加で10位に後退。最終ラップでチームメイトを含む2台のマシンをかわし、トップ10に復帰していたサットンが9位をもぎ取る結果となった。
これでレース2に向けて最前列を得たクックは、結果的にライト・トゥ・フラッグの連勝劇を演じるが、レース自体は赤旗とSC続発の荒れた展開に。
スタート直後にアンディ・ニート(フォード・フォーカスST)と接触したグリン・ゲディー(クプラ・レオンBTCC)がバレルロール状態でコースオフ。今季からPHSC with BTC Racing(PHSCウィズBTCレーシング)より初のレギュラー参戦を果たした女性ドライバー、ジェイド・エドワーズ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)も巻き込んでの大クラッシュに発展する。
これで赤旗中断となったレースは12周に短縮して再開されると、今度は2番手争いを展開していたイングラム、ヒルに対し、3ワイドになったブッチャーのカローラが制御不能に陥りタイヤバリアに激突。マーシャルはふたたびコース補修とマシン回収作業に動員され、隊列はSCに率いられる状態となる。
6周目に再開されたレースはいくぶん落ち着きを取り戻し、クックがスラクストンでの通算6勝目をマーク。2位には緊急復帰のカミッシュが浮上してBTCレーシングがワン・ツーを達成し、4番手のダニエル・ロウボトム(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)を抑えたフォードのヒルが連続表彰台を守り、FK8シビックのポディウム占拠を阻止した。