更新日: 2021.05.12 12:44
TCRヨーロッパ開幕戦は、コロネルがポール奪取もアズコナが制覇。ベナーニも新型車で初勝利
一方、ポールシッターのコロネルは後続とのバトルに巻き込まれ、Zengő Motorsport(ゼングー・モータースポーツ)のダニエル・ナジー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)や、チームメイトのニコラス・ベアト(アウディRS3 LMS)らの猛攻にさらされる。
決勝10周の中盤まで粘ったコロネルだが、4周目についに僚友にポジションを明け渡すと、そのベアト、ナジーに続き、Q1敗退でトップ10圏外から猛追を見せたSLRのニールス・ラングフェルド(ヒュンダイ・エラントラN TCR)にもパスされ、最終的に5位フィニッシュと無念の結果に終わった。
明けた日曜13時55分からのレース2は、予選10番手獲得でリバースポールに着いたベナーニが、レース1勝者で2018年王者でもあるアズコナとのデッドヒートを演じる展開に。
スタートでおなじくフロントロウに並んだ僚友のエラントラ、フェリーチェ・ジェルミニを6番手に追い落とすと、もう1台のSLRヒュンダイをドライブする同郷サミ・タウフィクがグリッドから離れられなかったことで、早々のセーフティカーが導入される。
この直前にベナーニに迫ったのが5番手発進のPSS Racing(PSSレーシング)、フランコ・ジロラミ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)で、おなじく好スタートを切ったロシア出身のクリム・ガブリロフ(アウディRS3 LMS)が、モータースポーツの世界統一戦“モータースポーツ・ゲームス”初代覇者の実力を示し、シビックにテール・トゥ・ノーズで続いていく。
車両回収後にすぐさまリスタートが切られると、べナーニは首位を堅持したものの、後方から9番グリッドスタートのアズコナがチャージを掛け、ガブリロフやジロラミを鮮やかに料理し、首位エラントラの背後にまで迫っていく。
ここで1対1のデュエルと化した首位争いは、ペースに勝るアズコナをベナーニが冷静に抑える好バトルとなり、最終的に0.501秒の僅差でフィニッシュラインへ。ベナーニは未勝利での戴冠となった2020年の雪辱も果たし、自身3年ぶりのTCRヨーロッパ勝利を飾り、デビュー戦のエラントラにも記念すべきTCRヨーロッパ初優勝を贈ることに。
最後の表彰台には、一時ガブリロフに先行されていたジロラミが意地を見せ、再逆転で3位に滑り込んでいる。
これでアズコナが84ポイントでランキング首位に立ち、62点のべナーニ、60点のナジーが続くランキングとなったTCRヨーロッパ・シリーズ。続く第2戦は5月28~30日に、フランス・ポールリカールで争われる。