15日午後に行われた決勝レース1は気温15.1度、路面温度26.8度というコンディションのなかスタートを迎えた。開始早々の1周目、ターン3で元F1ドライバークリスチャン・クリエンのマクラーレンとメルセデスが接触し、マシンが跳ね上がるクラッシュとなりセーフティカーが導入された。
ムーランが第1スティントを務める19号車はこのアクシデントをすり抜け9番手を走行。4周目終わりにリスタートを迎えるも、ストレートスピードがライバル勢に比べ10km/h遅く、厳しい戦いが続く。そんななか、6周目にランボルギーニ・ガヤルド・ライターR-EXが単独クラッシュを喫し、2度目のセーフティカーが導入された。13周目、残り時間33分というピットウインドウオープン直前でふたたびレースが再開を迎えると、19号車は翌周にピットイン。ここからは根本悠生がステアリングを握す。
コース復帰後、根本は2分3~4秒台で周回を重ねますが、ロングストレートを中心とした高速レイアウトのポールリカールではライバル勢を追うことは叶わず。18周目、背後からは2009年のFIA-F2王者アンディ・ソウセックが根本を襲う。
しかし、巧みなラインどりでオーバーテイクの機会を奪う姿は国際映像でも注目の的となった。6周もの激しいバトルが続いたが、やはりストレートスピードが段違いのポルシェを抑えることは厳しく、24周目にかわされ7番手にポジションダウン。続いて26周目にはアウディにもかわされてしまうも、上位勢のトラブルの影響もあり、7番手でチェッカーを受けた。

■Race2:2nd
16日午後に迎えた決勝レース2は気温18.8度、路面温度27.8度というコンディションのなか、スタートを迎えた。レース1と違い、レース時間は60分。そしてGTカップクラスとの混走となり、コース上には26台のマシンが並んだ。
スタートを担当した根本は3番グリッドスタートのポルシェの背後にピタリと続いてローリングスタートを迎えると、1コーナーでポジションを3番手にまで上げる。その後、予選後のセットアップ改善が効いたか、トップと遜色ない2分3秒台の安定したタイムで周回を重ねた。
そんななか、9周目ににトップを走るマクラーレンと2番手ポルシェが軽く接触、その混乱を突いた根本が2台をまとめてオーバーテイクすることに成功し、19号車はトップに浮上した。しかし、レース1から改善があったとはいえ、ポルシェとのストレートスピードには5km/hの差がある。元F2王者ソウセックの乗る2番手ポルシェとは1秒以内の接近戦が続いた。
16周目、根本はピットイン、ムーランにステアリングを託すことになったが、コースへ復帰すると、同じVSRの63号車にかわされてしまう。そして、翌周ピットに入ったポルシェにもかわされてしまい、3番手を走行。
しかし、最終29ラップの最終コーナーでムーランが執念のこもったオーバーテイクを決め、2番手に浮上。そのままチェッカーを受け、ランボルギーニがサポートするVSRがワン・ツーでレース2を終えることとなった。
■根本悠生コメント
「シーズン開幕戦となったフランス、ポール・リカール大会は練習走行から順調にプログラムに沿ってセッションを進めることができました。走り出しからBoPが厳しいことは分かっていたので、多少パフォーマンスを犠牲にしてでもトップスピードを稼ぐ方法なども練習走行で確認できていたのが今回の大きな要因でした」
「予選ではGT CUPクラスと混走となる公式予選2を担当。夜のうちに降った雨によってコースの所々がまだ濡れているという状況で、久し振りにタフな戦いになりました。誰しもがファイナルラップにタイムを出すであろうというコンディションのなかで3列目5番手を獲得できたのは非常に良かったです」
「レース1、レース2ともに担当スティントをとおして力強い戦いができました。とくにレース2では前日の反省を活かしたセットアップを施したことでより他車と戦いやすくなり、最終的に5番手からトップまで順位を上げることができたのは今回の表彰台獲得の大きなファクターとなりました」
「相方の強烈な最終ラップ最終コーナーのオーバーテイクもあり、今季初の2位表彰台を獲得できたこと、大変うれしく思います。信頼できるクルマを作ってくれたチーム、スクアドラコルセ。そしてスポンサー様や最後までライブストリーミングを通して応援して下さった皆さま、ありがとうございました。次戦ベルギーのスパ・フランコルシャン大会も引き続き宜しくお願い致します」
