その後はこの2台に対してSLRのエースカー勢が挑む展開となり、3周目には4番手を狙ったベナーニに対し、ラングフェルドが容赦ない仕掛けで追い落とし、先にVolcano Motorsport(ボルケーノ・モータースポーツ)のアズコナを仕留めてポジションアップを果たす。
この週末は終始ペースに苦しんだ2018年シリーズ王者のアズコナは、直後にべナーニにも先行を許すと、プジョーと同じくBoPで復調気配を見せるホンダに乗る、Brutal Fish Racing(ブルータル・フィッシュ・レーシング)のジャック・ヤング(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)にも先行を許してしまう。
最後の波乱は10周レースも残すところ2周の時点で、ラングフェルドに逆襲して4番手へと上がっていたベナーニの左フロントタイヤが限界を越えバースト。これで同僚を含めヤング、アズコナら後続がそれぞれポジションをひとつ回復してフィニッシュラインへ。
一方の前線では自らのレースペースに意識を集中したテディが、ジェルミニのエラントラに対し約4秒ものマージンを稼ぎ出してトップチェッカー。自身シリーズ初優勝を飾ると同時に、こちらも自己最上位のジェルミニを挟んでジミーも3位に入り、兄弟揃っての表彰台登壇となった。
明けた日曜正午過ぎからのレース2は、予選10番手だったPSS Racing(PSSレーシング)のヴィクトル・ダビドフスキー(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)がリバースポールからのスタートに。
そのスタートでフロントロウに並んだチームメイトのフランコ・ジロラミ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)と、セカンドロウのアズコナを出し抜いたのは、予選7番手タイムだったジミーのプジョー。
ターン1で首位を奪ったアズコナに対し、続く切り返しのターン2で大外から前に出たジミーは、前日の兄に続けとばかりにリードを拡大し、最後までポジションをキープ。アズコナを1秒差で抑え切りこちらもシリーズ初優勝を獲得し、3位にはPSSレーシング勢を仕留めたSLRのタウフィクが入る結果となった。
これにより、ランキング首位のアズコナは143ポイントまで伸ばして依然優位に立ち、2位に92点のべナーニ、そして3位に87点でジミーが浮上するランキングとなったTCRヨーロッパ・シリーズ。続く第3戦は6月19~20日に、オランダ・ザントフォールトで争われる。


