一方、6番手発進だったサンティアゴ・ウルティア(リンク&コー03 TCR/シアン・パフォーマンス・リンク&コー)は堅実なスタートを切り、グランプリコースを終えてノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク北コース)へ向かう前には4番グリッドのモンテイロを仕留めてみせる。

 コースの大部分はドライながら、レースコントロールからはウエット宣言も出されていたレースだが、グリッドにつく全車がスリックタイヤを装着して霧のグリーンヘルに突入していくと、首位を行くミューラーは「直線でのライバルたちは、まるで別の惑星のマシンみたいだった」と、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)によるビハインドに不満を漏らす状況に。

 2周目の名物ロングストレート“ドッティンガー・ホーエ(Döttinger-Höhe)”では、5番手発進でオープニングからジリジリと上がってきた59歳の鉄人、ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイ・エラントラN TCR/BRC・ヒュンダイN・ルクオイル・スクアドラ・コルセ)にパスされ、ついに首位を明け渡すことに。

 しかしGPコースに戻る最終コーナーでアウト側2輪をグラスエリアに落としたタルキーニが失速し、このミスに乗じてミューラーがポジションを奪い返すと、1コーナーに向けブレーキング競争となったタルキーニとウルティアはタイヤをロックアップさせてオーバーラン。老兵はあわやミューラーのリヤに追突か、という状況を回避したものの、ワイドになった2台のインを突いて後方からモンテイロが浮上してくる。

 全長約21kmの“グリーンヘル”を通してリンク&コー03 TCRとテール・トゥ・ノーズに持ち込んだモンテイロは、3周目のファイナルラップで勝負どころをドッティンガー・ホーエと定めて最後のストレートへ。

 この戦略が功を奏し、スリップストリームから前へ出たシビックは、2台のリンク&コーを従えて0.514秒差でトップチェッカー。モンテイロが見事にシーズン初戦を制する結果となった。

セダン系モデル優位に進んだ週末で、予選ポールポジションを獲得したネストール・ジロラミ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)
R1ではLynk&Co 03 TCR対ヒュンダイ・エラントラN TCRの勝負が繰り広げられるも、背後から勝機を伺う1台が迫る
「ホンダの方が明らかにパワーがあり、なす術はなかった」と、R1で2位に敗れたイバン・ミューラー

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