するとバックストレート手前の右コーナー、ウィルソンで仕掛けたサットンがついにポディウム圏内に進出。そのままの勢いで、続くラップには同じコーナーでオリー・ジャクソン(フォード・フォーカスST/MBモータースポーツ・アクセラレーテッド・バイ・ブルー・スクエア)をかわし、ついに首位ターキントン追撃体制を整える。
そして9周目。前半区間の左ヘアピン、アゴスティーニでBMWのインサイドに飛び込んだサットンは、スライドを抑えながらオーバーテイクに成功。その後もソフトタイヤのマネジメントに徹し、ターキントンとの“王者の攻防”を制し「望外の」トップチェッカーをくぐった。
「本当に最高だ! クルマは信じられないほど完璧な状態になった。予選が悪くレース1はセット面で進歩できなかったが、このレース2に向けては、ファンのために何か良いショーを披露したいと決めていたんだ」と喜びを語ったサットン。
「ウイニングランでスタンドのファンに手を振るのも最高の気分だった。この勝利の喜びを彼らと共有できるなんて、本当に素晴らしい光景だったよ」
そして週末最終のレース3は、リバースグリッド“抽選”の結果、前戦で7位フィニッシュだったステファン・ジェリーのBMWがリバースポールを獲得。その背後から、僚友のトム・オリファント(BMW330i M-Sport/WSR)とイングラムのヒュンダイが追う展開となる。
すると2周目にはWSR同士でわずかに接触するバトルもあり、5周目にはイングラムが首位浮上に成功。そのまま12周を走破して移籍後初優勝を飾るとともに、チームとヒュンダイはこれがBTCCでの記念すべき最初の勝利ということに。
その背後にはソフトタイヤで上位に復帰したシェドンのシビックをかわし、サットンが連続表彰台となる2位に喰い込んでいる。
この結果により、選手権ランキングでもイングラムを2点差でかわしたサットンが首位に浮上。そのサットンから5点差でターキントンが追う展開へと変わっている。そんな2021年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権、続く第3戦は2週間後。6月26~27日にブランズハッチのショートレイアウト、インディ・サーキットで争われる。


