翌20日に開催された第9戦の予選でポールポジションを獲得したのはニッサン・e.ダムスのローランドとなり、好調なウェーレインが2番手、そして3番手にモルタラが続いた。
前日に引き続きドライコンディションで行われた決勝レースのスタートでは、ポールポジションのローランドが好スタートを決め1コーナーを制し、2番手にはモルタラが浮上、ウェーレインはスタートでの蹴り出しが悪く3番手に順位を落とす展開に。

トップを快走するローランドは、レース残り38分というところでコース外に設けられたアタックモードのアクティベートゾーンへと進み4番手に後退するも、すぐさま3番手のデニスをオーバーテイクする。これで3番手に浮上したローランドは前を走行するモルタラとウェーレインを追い、ウェーレインがアタックモードのアクティベートゾーンへと進んだ関係で2番手にポジションを上げる。
しかし、3番手に後退したウェーレインも追撃を諦めず、2番手ローランドの真後ろでプレッシャーを掛け続ける。テール・トゥ・ノーズでバトルを繰り広げる両者だったが、レース残り19分というところで、先行するローランドがコーナリング中にイン側のウォールに接触してしまう。
ウォールとの接触は一瞬だったためローランドのマシンにダメージはないが、ペースがわずかに落ち、その隙を突いて3番手ウェーレインがローランドをパス、2番手に浮上する。ローランドを抜いたウェーレインはトップを走行するモルタラに狙いを定め、1周あたり1秒ほど速いラップタイムを記録しながら追い上げを見せる。

そしてレース残り8分、ついにウェーレインがトップのモルタラに追いつき、両者によるバトルが繰り広げられるかと思われたが、ウェーレインのタイヤにはモルタラを攻略する余裕が残っておらず、トップのモルタラが再び差を広げてチェッカーフラッグを受けることに。
その後方では、3番手にドロップしたローランドと、昨年まで日本で活躍したニック・キャシディ(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)による表彰台争いが勃発。この争いはレース残り1分を切ったところでキャシディに軍配が上がり、嬉しい初表彰台を獲得している。
この第9戦は最終的にモルタラがトップチェッカーを受け、2位ウェーレイン、3位キャシディというトップ3になったが、レース後ウェーレインには「ファンブーストの不適切な使用」により5秒加算ペナルティが科されることに。
その結果、優勝はモルタラで変わらないものの、キャシディが2位、ローランドが3位に繰り上がり、最終的にウェーレインは4位という結果になっている。フォーミュラEの次戦は7月10~11日にアメリカ・ニューヨークで開催される予定だ。


