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 一方、午前のタイムトライアルでジャン-カール・ベルネイ(ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCR)がポールポジョションを確保したプールBは、同じく最前列に並ぶエクストロームと一騎打ちの様相に。

 スタートでホールショットを奪ったベルネイだったが、後方からエクストラパワーを使用して迫るエクストロームを抑えることができず、そこから7周で3秒のマージンを稼ぎ出したクプラが安全圏での逃げ切りを達成。これで週末77点を獲得したエクストロームが初の“King of the Weekend”となった。

「僕らはバレルンガでも非常に競争力があることを証明したが、それはこのアラゴンでも続いていたね」とご満悦のエクストローム。「予選では僕のペースが足りずやられてしまったが、レース自体は自分で支配したいと思っていたから、前に出た判断は正しかったと思う」

「ターン1でのジャン-カール(・ベルネイ)はとてもクレバーだった。彼は僕に『眠っている』かのように思わせておいて、僕が仕掛けるとすぐに反応を示した。彼はとても頭が良く、とても公平で、これから何度も勝負することになるだろうし、本当に楽しみだよ」

 プールAで僚友の身に起きたアクシデントを案じつつ、エクストロームは思わぬ“本音”を打ち明けるとともに、将来的にこのEVシリーズに「多くのマニュファクチャラーが集うことを願っている」と期待を寄せる。

「ミケル(・アズコナ)とアウグスト(・ファーフス)は非常に激しいファイトを展開していたね。悪いことじゃないし、できる限りクリーンでフェアな勝負をするつもりだが、仮に誰かが“ラリークロス”をしたいなら大賛成だ、いつでも受けて立つよ」と、ジョークを飛ばした元WorldRX世界ラリー選手権チャンピオン。

「正直に言うと、このシリーズに参加する前はピュアETCRに対して懐疑的だった。でもこのEVマシンの扱いには繊細さが要求され、ドライブする度にますます魅了され“中毒”になってきているよ」と、元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者として数々のハイパワー後輪駆動マシンを経験してきたエクストローム。

「500kWのパワー、プッシュ・トゥ・パス、そして独創的なフォーマットの組み合わせはとても相性が良いね。(同じく高出力の)ラリークロスでは追い抜きが難しいが、こちらのトラックはとてもワイドでよりオーバーテイクが楽しめる」

「今後はBMWやメルセデス、アウディ、リンク&コー、ホンダやニッサンなど、多くのマニュファクチャラーが参戦することを願っている。彼らが参加してくれればうれしいし、絶対にバトルを楽しんでくれると思うよ」

 この第2戦の週末には、TCRの権利所有者であるWSCグループが来季FIA選手権化が予定されているピュアETCRを、従来のTCRのようにグローバル展開するとアナウンス。ヨーロッパを皮切りにアメリカ、アフリカの両大陸にもシリーズ展開する計画を発表するなど、来季2022年はさらなる拡大が見込まれる。

 そんなピュアETCR初年度の第3戦は、8月6~8日の週末にTCRデンマークとの併催により、コペンハーゲン市街地コースを使用した『コペンハーゲン・グランプリ』戦が予定されている。

「予選ラップは完璧で、マティアスを打ち負かせたことに満足している」とプールB最速のジャン-カール・ベルネイ(ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCR)
しかし、スーパーファイナルBはマシンコントロールと高出力車両の経験値に勝るマティアス・エクストローム(セアト・クプラ e-Racer)が制した
「予選での控えめなラップを除けば、全体のパフォーマンスには満足している」と、第2戦の”King of the Weekend”

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