Report by Masahiko Amano / Amano e Associati

 さて、2021年シーズンも残すところ6レースとなっている。2017年にはランキング5番手から大逆転でチャンピオンとなったニューガーデン。果たして彼は今年、キャリア3回目のタイトル獲得を成し遂げることができるだろうか?

 今年の彼は、ランキングだけを見ると4番手とポジションは2017年よりふたつ上だが、トップとのポイント差は69点と、2017年の56点より開きが13点大きい。しかも、今年の最終戦はロングビーチで、ダブルポイントとはされていないから、逆転は当時よりも難しくなっている。

 ニューガーデンが逆転でチャンピオンになるためには、ミド・オハイオで優勝した勢いを保ち、地元ナッシュビルで初開催されるストリートレースで優勝するのがベストのシナリオだ。

ナッシュビルでの勝利を目指すジョセフ・ニューガーデン
ナッシュビルでの勝利を目指すジョセフ・ニューガーデン

 それができれば、彼がキャリア三度目となるタイトル獲得を果たす可能性は一気に膨れ上がる。ポイントトップのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)と、ポイント2番手のパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)とニューガーデンは勝利数=「2」で並ぶことになるからだ。

 パロウたちふたりはどちらもインディカーでチャンピオンになったことがない。プレッシャーとの戦いは、二度タイトルを経験しているニューガーデンに比べると遥かに大きなものになる。

 近年のインディカーでは3~4勝を挙げたドライバーがチャンピオンになっている。上記の通り、2021年シーズンは11戦目まででの最多勝利は2勝がふたり。彼らとしても、少なくともあと1勝はしないとチャンピオンになるのは難しそうだ。パロウとオーワードにそれを実現する力はあるだろうか? 

 そして、ニューガーデン、あるいはランキング3番手のディクソン(1勝)には、同じ残りの6戦で2~3勝を挙げることが求められる。それが彼らには可能なのか? 

 ランキング上位の若手ふたりは、どちらもキャリア初勝利を記録したのが今年なので、残り6レースが開催されるサーキットでの優勝経験はない。それに対してインディアナポリス/ロードコースではニューガーデンとディクソンが1勝ずつ。ゲイトウェイではニューガーデンが2勝、ディクソンが1勝。

 ポートランドとラグナセカではポイントトップ4全員が未勝利。今年の最終戦の舞台となるロングビーチではディクソンが1勝している。

 開幕から11戦のパフォーマンスを見る限り、どんなコースに行っても速いのはパロウとディクソンが所属するチップ・ガナッシ・レーシングで、逆にオワードを走らせるアロウ・マクラーレンSPは安定感に欠け、ここ2戦は優勝争いに絡むことができていない。

 ミド・オハイオで勝利したチーム・ペンスキーは、優勝争いに常に加わって行くところまでチーム力を引き上げることができているのだろうか?

 残り6戦での彼ら、そしてニューガーデンの戦いぶりに注目したい。三度目のタイトルを30歳で獲得となれば、彼はディクソンに並ぶ6回、さらにはAJ・フォイトの持つ7回のタイトルという記録にも挑戦することができるようになるだろう。

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