一方で、ロードゴーイング版の『296 GTB』は前述のとおりすでに830PS(cv)を発生しているものの、FIA GT3規定ではハイブリッドの搭載が許可されていないため、ホンダ/アキュラNSX GT3などと同様にモーターやバッテリーを含むシステムを取り外してからのホモロゲーション取得作業が待っている。

 フェラーリは、この2年以内にも新型GT3モデルをデビューさせる方向で「ウォーミングアップに入っている(コレッタ談)」とされ、2022年に生産開始となる市販の『296 GTB』に遅れること約1年の、2023年にはラウンチに漕ぎ着けたい構えだ。

 というのも、同年にはフェラーリがすでにその存在を公にしたル・マン・ハイパーカー(LMH)規定の新型レースカーの登場が控えており、GT3とハイパーカーの双方で新型モデルを投入することで、フェラーリのプレゼンス向上とマーケティング面での活用につなげることが期待されている。

 またフェラーリは、2022年末までGTE規定へのコミットメントを表明しているものの、すでに『488』の市販モデルが生産終了となっていることを受け、このLMHと新GT3登場により「ゆくゆくはGT3に一本化されていくことになる」としている。

 さらに、現行『488 GT3』の製造とデリバリーに携わってきたミケロットとの関係も見直され、新たなGTレーシング・ビルド・パートナーとしてオレカの名が浮上している。しかし、コレッタは「おそらく新しいパートナーを迎える」としながらも「引き続き、ミケロットとの協力関係は変わらずに続いていく」と強調した。

「我々とミケロットのコラボレーションは長期的であり、それは将来も続くはずだ。彼らはGT3だけでなく、多くの活動でフェラーリのために働いているからね。何も止めることはないよ」と続けるコレッタ。

「はっきりさせておきたいのだが、LMHやGT3、その他のレースカー開発プロジェクトはすべてフェラーリの技術部門が責任を負っている。その後、パートナーと一緒に製造工程に入るが、おそらく新型GT3は新たなパートナーと協業することになる。ただし、これらのクルマはすべてマラネロ製だ。これが重要な点なんだ」とコレッタ。

「新型GT3の最初のテストが、LMHの(シェイクダウンの)前になることを願っている。来年の2月、LMHの2~3カ月前が理想的だろうね。とても忙しいことになるだろうが、我々は良い仕事をしたいと思っているよ」

2021年のスーパーGTにも『PACIFIC NAC CARGUY Ferrari』として参戦するフェラーリ488 GT3 Evo
GT3規定車両は、663PSを発生する新開発の120度V6ホットインサイドVツインターボF163ユニットのみで構成される

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