オープニングラップ後方ではチーム・クレーレ・スポーツのプジョー308 TCRやVRCチームのアウディRS3 LMS、そしてブルータル・フィッシュ・レーシングのFK8型ホンダ・シビック・タイプRなどが絡む多重クラッシュが発生し、ここでセーフティカー(SC)が導入されるものの、リスタートでも盤石のダッシュを見せたアズコナが首位を堅持。10周を走破して2.605秒差を守り今季2勝目を手にした。

 明けた土曜午前11時20分開始のレース2は、スタート15分前に到来したレインシャワーの影響で、各陣営が装着タイヤのチョイスと新たな戦略策定に大忙しのグリッド進行に。

 ここで昨年のレース2を制したアズコナはその再現を狙いフロントにスリックタイヤ、リヤにレインタイヤを履くミックスチョイスの判断を下し、リバースポールのクリム・ガブリロフ(アウディRS3 LMS/VRCチーム)は4輪フルウエット、対照的にオモラのヒュンダイはフルスリックを装着して、SC先導スタートに臨んだ。

 2周のインスタレーションに続いてSCがピットロードへ向かうと、2列目にいた“ミックス派”のテディ・クレーレ(プジョー308 TCR/チーム・クレーレ・スポーツ)が、まずは前方2台を刺して首位に立つ。

 しかしその後方ではアズコナがジリジリと上位陣に迫り、3周目には4番手にまで上がってくる。そこからコムトゥユー・レーシングのニコラス・ベアト(アウディRS3 LMS)やジロラミを抜き去り、首位クレーレとテール・トゥ・ノーズに持ち込むと、6周目のバス・ストップ・シケインでやはりアウトから仕掛け、続くラ・ソースでの反撃も封じて勝負アリ。2位オモラ、3位クレーレを従え、昨季に続きスパ完全制覇を成し遂げた。

「コンディションは非常に厳しかったが、前スリック、後レインの選択は僕に大きな自信を与えてくれた。3周目からはフルスリックの方が速そうで、スライドするマシンのコントロールに手を焼いたが、テディがブランシモンでワイドになったことでパスする機会が生まれたんだ」と明かした勝者アズコナ。

「その後は、セクター2でとても速いことがわかったから、2~3周のあいだは本当に激しくプッシュし、ファイナルラップではタイヤのケアに集中した。チャンピオンシップにとって素晴らしい週末になったね」

 これでランキング2位のジロラミに対し30点差をつけ選手権首位の座を固めたアズコナ。続くTCRヨーロッパ第5戦は9月3~5日のドイツ・ニュルブルクリンク戦が予定されているものの、大規模水害からの復旧状況次第では開催が不透明な情勢となっている。

本人が「コロネル・コンビネーション」と呼ぶ前スリック、後レインでレース2を戦ったトム・コロネル(アウディRS3 LMS)だが60kg搭載のウエイトに苦しむ週末に
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旧世代のヒュンダイで奮闘したマット・オモラ(ヒュンダイi30 N TCR/Janík Motorsport)は、レース2で2位に喰い込む殊勲の活躍を演じた
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「僕らは素晴らしい仕事をしているし、今年の残りの期間もこの努力を続ける必要がある」と勝者アズコナ
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