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 最大500kW(約680PS)を発生する後輪駆動電動マシンのパフォーマンスを常用300kW(約408PS)設定とし、500kWを最長40秒間の“ブースト”として利用可能なデュエル方式のバトル2では、ルカ・フィリッピのジュリアがスタートゲートのピラーに接触し、修復作業でレース中断というアクシデントが発生したものの、続くヒートはシグナルスタートに変更しての継続に。

 結果、ゲートを破壊したルカ・フィリッピを含め、A組はベルネイとエクストロームが、B組ではファルファスと初代勝者ミケル・アズコナ(セアト・クプラ e-Racer)、そしてジョルディ・ジェネ(セアト・クプラ e-Racer)が勝利を収めた。

 明けた日曜朝のタイムトライアルでは、週末最初のセッションで最速を分け合ったA組エクストロームとB組エングが、順当にトップタイムを記録して各々スーパーファイナルのポールポジションを獲得。まずはA組でターン1のインサイドラインを守った2016年のWorldRX世界ラリークロス選手権チャンピオンがホールショットを奪う。

 そのまま7周レースで首位をキープし続けたエクストロームだったが、ファイナルラップのシケインでクプラのインサイドに飛び込んだルカ・フィリッピのジュリアは、ウォールと挟まれながらもドアをこじ開けると、わずか1.118秒差でフィニッシュラインを先行して逆転勝利。これがアルファロメオにとって初のスーパーファイナル勝利となった。

 続くB組は初参戦、初ポールシッターのエングが盤石のレース運びを見せ、2番手チルトンのヒュンダイを引き離す展開に。そのヴェロスターN ETCRも最終ラップを前にパンクで戦列を去ると、エングのアルファはジェネ、アズコナのクプラ艦隊に約2秒ものマージンを保った状態でトップチェッカー。デビュー戦のファイナルで完璧な“ライト・トゥ・フラッグ”の勝利を決め、いきなりの“キング・オブ・ザ・ウイークエンド”となった。

「素晴らしい週末になったね。誰もが懸命に働いたし、この結果に値する努力を重ねてきた。直前のテストではハードなメニューをこなし、いくつかの変更を加えたことがすべてを前進させるキッカケになったようだ」と、驚きとともに勝利の喜びを語った31歳のエング。

「直前に亡くなったアルド(・セルッティ/マネージング・ディレクターであるミケーラの父で、元レーシングドライバー)のことで、チームは非常に感傷的な時期でもあった。この勝利を彼に捧げたいし、すべてのメンバーに感謝したい。彼らのオープンな態度により、ここへ来たときには”新人”のような気がしなかったよ」

 この週末の結果により、エクストロームはランキング首位を維持して、2位のベルネイに対し34点差をキープ。続くETCR第4戦は8月20~22日の週末にハンガロリンクで争われる。

スーパーファイナルA組でターン1のインサイドラインを守ったマティアス・エクストローム(セアト・クプラ e-Racer)だったが……
「最終ラップは保守的すぎたが、その時点で失うものが多くあり、フィニッシュできなかった場合は、はるかに状況が悪化したはず」と選手権首位を守ったエクストローム
B組は初参戦、初ポールシッターのフィリップ・エング(アルファロメオ・ジュリアETCR)が盤石のレース運びを見せ完勝
「僕がミケーラとチームに最初の勝利をもたらしたかったが、チームにフィリップがいるのは素晴らしいこと」と、週末2位のルカ・フィリピ(右/アルファロメオ・ジュリアETCR)

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