イタリア出身のバルダンは、本来ならWTCRの第4戦として予定されていた地元アドリア・インターナショナル・レースウェイでの1戦に参加するつもりだったというが、これが1回限りの「記念」ではなく、来季フルタイムのシート獲得に向けた「布石」になることを望んでいる。
「今のところはその『夢』を楽しんでいるが、同時に2、3回限りのスポットではなく、これが僕のキャリアの新しい道の始まりになることを願っている。現時点でそれは不可能ではないと思うし、すでに来年に向けて取り組みを始めているけれど、まずは焦点を完全にハンガリーのレースに合わせたいと思っている」と意気込むバルダン。
そのために、現地でのチームメイトになるアンドレアスとジェシカの存在が「重要なベンチマークになるだろう」とも語っている。
「彼らは両名ともに明らかな才能を有しているし、彼ら兄妹に対抗することは僕にとっても良い『基準値』になるだろう。とはいえ、エラントラN TCRはまだ新しいし、クルマを理解するためにできる限り彼らに協力し、一緒に前進することを願っている」
そのターゲット・コンペティションでチームマネージャーを務めるアンドレアス・ガマラーは、バルダンの加入がチームパフォーマンスの向上に貢献すると考えている。
「WTCRでもバルダンを迎え、アンドレアス、ジェシカと一緒にレースプログラムを拡大できることをとてもうれしく思う。ハンガリーで3台のエラントラN TCRを走らせるのは大いなる挑戦だが、チームのパフォーマンス改善に確実に役立つだろう」と語ったガマラー。
「我々はニコラがTCRイタリアで活躍するのを見てきたし、彼の可能性を知っている。ニコラにとっては絶好のチャンスであり、WTCRデビューで彼をサポートできることを光栄に思っているよ」

