さらに7周目には7番手まで浮上していた元世界王者ハフが、シケインのタイヤスタックにマシンをヒットさせ左フロントサスペンションを破損。このアクシデントによりセーフティカー(SC)が導入される。
バリア修復に5周を要し、レースは14周まで延長されたものの、SC明けのリスタート後もリードを維持したマグナスは、接触審議中のアズコナ、現役王者のエルラシェールを抑え切ってのトップチェッカー。念願のシリーズ初優勝を手にした。
「リバースポールからスタートできると考えたとき、ここはダウンフォースが必要なトラックで集団内にいるよりはアドバンテージがありそうだと考えていたんだ」と、重いアウディを巧みに操った勝者マグナス。
「1コーナーまでは長く、加速勝負だけが心配なポイントだったが、背後にフレッド(・バービッシュ)がいてくれたことが幸運だった。彼は僕を守ってくれたし、心から感謝したい。最高のチームワークだと思っているよ」
続いて現地午後15時過ぎからスタートが切られたレース2は、ポールシッターであるハフのサスペンション修復が間に合わずピットスタートに。この結果、実質最前列を得たウルティアが、ネストール・ジロラミ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE・ミュニッヒ・モータースポーツ)や、地元の英雄ノルベルト・ミケリス(ヒュンダイ・エラントラN TCR/BRCヒュンダイN・ルクオイル・スクアドラ・コルセ)とバービッシュらが絡んだスタートでの“マルチヒット”に巻き込まれることなく快走。
ウルティアはジロラミ、バービッシュを従え今季初勝利を飾り、レース後にタイム加算ペナルティにより5位に後退したジロラミに代わり、アズコナが3位ポディウムを確保する結果となった。
このイベント直前にシーズン後半戦カレンダーの改訂が発表されたWTCRは、アジア・ラウンドのキャンセルによりチェコ共和国のモスト、フランスでEVツーリングカー選手権『PURE ETCR(ピュアETCR)』との併催を予定するポー-アルノー、そしてロシア・ソチ戦の追加をアナウンス。そのアウトドローモ・モストでの第5戦は10月9~10日の週末が予定されている。


