日曜午前10時50分より、周回数60周または最大100分のレース時間上限で開始となった決勝は、スタートから順当にホールショットを奪ったポールシッターが序盤戦のリードを守り、後続のトラブルを尻目にロッソ/マルケス組のホンダ・シビックを従えて、3番手のシボレー86号車以下を引き離していく。

 中盤25周目になるとピットウインドウが開き、3番手のカナピノ/リサッティ組シボレーを筆頭に、アルドゥソ/ポンセ・デ・レオン組シビックや、7番手を争っていたロッシ/ロペス組カローラが続々とピットレーンへとなだれ込む。

 その2周後には首位のペーニャ/ガルシア組ルノーがドライバー交代へ向かい、2番手ロッソ/マルケス組シビック34号車がリードを引き継ぐと、これを機会にホンダ陣営を次々と不幸が襲う展開に。

 同じラップでトップ10圏内に浮上していたファビアン・シャナントゥオーニ/マティアス・ムニョス・マルケージ組がトラブルを抱えて戦列を去ると、2冠王者アルドゥソ/ポンセ・デ・レオン組の83号車も左フロントタイヤが外れてストップ。これでレース終盤を前に、ホンダ勢は4台中2台を失う形となってしまう。

 31周目にロッソ/マルケス組のホンダがピットへと入り、コース復帰後にはシボレーに先行され3番手へと後退。ペーニャ/ガルシア組ルノーがリードラップを奪回し、4番手ミラ/バリオ組ルノーの背後にはロッシ/ロペス組のトヨタ・カローラが浮上してくる。

 しかし、フィニッシュを目前にしてWTCC世界ツーリングカー選手権3連覇を誇る英雄のカローラにも不幸な結末が訪れ、トヨタの1号車も左フロントタイヤがブローしてストップ。首位のペーニャ/ガルシア組ルノー・フルーエンスGTが完璧な週末を締め括る勝利を飾り、これでルノー・スポール・アルゼンティーナは4年連続で“ブエノスアイレス200km”を制覇。2位にカナピノ/リサッティ組シボレーが続き、終盤にロッソ/マルケス組のホンダをパスしたミラ/バリオ組のルノーが3位ポディウムを獲得している。

 一方、予選11番手から浮上を期したサンテロ/フェネストラズ組の68号車トヨタ・カローラSTC2000だったが、この週末のカローラには上位に伍するスピードがなく8位フィニッシュが精一杯。初参戦となったフェネストラズは自身のSNSを通じ「いくつかの技術的な問題を伴う複雑なレースだったが、アルゼンチンでのデビューと今回の経験には満足だ」と語っている。

 この週末の結果により、選手権首位で臨んでいたロッシはペーニャにポイントリーダーの座を明け渡し、カナピノにも逆転され3番手に後退。続くSTC2000第9戦は9月24~26日の週末にサン・フアン、ビリクム・サーキットでの開催が予定されている。

この週末で唯一、ルノーの牙城に挑んだアグスティン・カナピノ/リカルド・リサッティ組(シボレーYPFクルーズ)は2位に終わった
今季からPuma Energy Honda Racing(プーマ・エナジー・ホンダ・レーシング)移籍の2冠王者ファクンド・アルドゥソ組はトラブルで戦列を去る
ロッシ/ロペス組カローラも、終盤に左フロントタイヤがブローしたことで上位進出の機会を逸することに
レース終盤に向けジリジリとポジションを上げたサンテロ/フェネストラズ組の68号車は8位フィニッシュ
「コースイン直後の2周でタイヤの状態を見極め、最後はマネジメントに徹した」と、完璧な仕事を達成したアントニーノ・ガルシア(左)

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