背後のコチュリンスキーは、予選直後に「正直、僕の今季タイトルを掛けた勝負は終わったと思う」と白旗を掲げていたオリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)との激しい攻防を繰り広げ、ファイナルラップではサイドウェイで真横になるほどのレイトブレーキングを見せたゴルフを封じ、老練エースとの1-2体制を守り抜いた。
続く午後13時30分開始のレース2も、まるで午前の“カーボンコピー”のような展開となり、レース全域を通じて2番手にヒューゴ・ネルマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/カヤード・レーシング)がつけたものの、2周目の最終コーナーでトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)を押し出したとしてレース後10秒加算のペナルティが科せられることに。
これでコチュリンスキーが連続2位表彰台を確保し、3位にもセーデルシュトレームが続くポディウムに。ダールグレンはボルボのファクトリーチーム所属時代に同僚としても戦ったゴランソンに並ぶ、シリーズ通算43勝目に到達した。
「もちろん、ボルボのポールスター時代は良き思い出だし、僕はリチャード・ゴランソンに多大な敬意を払っている。謙虚でありたいと思うけれど、彼の勝利数に匹敵する勝利を挙げられたなんて心から誇りに感じ、光栄に思っている」
週末最終ヒートのレース3は、リバースポールを獲得したロビン・クヌットソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)が、その優位を最大限に活用してシリーズ初優勝を達成。
2位にはこのラウンドにゲスト参戦を果たしていたWTCR世界ツーリングカー・カップに参戦する唯一の女性ドライバー、ジェシカ・バックマン(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)が続き、再びライバルと接触上等の荒れたレースを演じたネルマンのゴルフGTI TCRが3位に入っている。
この結果、ランキング2位につける僚友コチュリンスキーに対し65ポイントの大量リードを構築したダールグレンだが、次戦10月2~3日にマントープパークで開催される第5戦では、ゴランソンの持つシーズン最多勝となる9勝の記録に挑戦することとなる。


