その勢いのままハルムも仕留めたラッコのフレイトライナーは、12周のチェッカーまでに5秒ものマージンを稼ぐひとり旅を演じ、前戦の地元チェコで未勝利に終わった元王者にとってもこれが今季初優勝に。
2位ハルムの背後で最後までバトルを繰り広げていたアルバセテとラインアートが、残り2周のレインバトルで“両成敗”のコースオフを喫し、勝者ラッコの僚友カルヴェに3位ポディウムが転がり込んだ。
明けた日曜は一転、早朝からサーキット上空には快晴が広がると、昨日の主役だったキスが予選暫定ポールから再びトップ10シュートアウト形式の“スーパーポール”を制してみせる。
しかしセッション後、パルクフェルメ規定の違反によりキスの予選とスーパーポールタイムが抹消される事態となり、代わって“帝王”ハーンがレース3の最前列を確保することに。これでライバルの消えたハーンは3秒の快適なリードを維持して今季最初のトップチェッカーをくぐり、2位にラッコ、3位アルバセテの表彰台となった。
このレースを17台の最後尾からスタートした“怒れる”選手権リーダーは、コース上で利用可能な舗装部分の隅々まで使い切る豪快なドライビングで追い上げ、表彰台までわずか3秒、4番手でフィニッシュラインを通過する怒涛のチャージを見せた。
これで週末最終ヒートに向けリバースの4番グリッドを確保したキスは、怒り収まらぬ勢いを持続し、スタートで3番手に上がるとわずか5つのコーナーでレースをリードすることに成功。
ペースに劣るトラックが後続に蓋をした効果もあり、2番手ラッコはキスに劣らぬレースペースを維持しながらもアタックすることは叶わず。それでも再び僚友カルヴェを従えて週末3度目のポディウム獲得となった。
続くETRCの2021年シーズン第6戦、実質的“ラウンド4”は、こちらも約2週間後の9月25~26日に、シリーズお馴染みのフランスはル・マン、ブガッティ・サーキットでの1戦が予定されている。


