続くレース2もポールから発進したモファットだったが、ここで逆襲を見せたのが2番手に並んだヒルで、オープニングラップから積極果敢なアタックを仕掛けたフォード・フォーカスSTは、高速左コーナーで首位インフィニティにアウトに並ぶと、続く右ヘアピンのインを抑えて首位浮上に成功。前戦に続き直後に導入されたセーフティカー(SC)にも動じず、サクセスバラストをフル積載するモファットを抑えて今季初優勝を記録し、3位にはプロクターとの入れ替わりでジョシュ・クック(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/BTCレーシング)が続く結果となった。
続くレース3はリバースグリッド抽選を経て、前戦4位フィニッシュのターキントンが最前列からスタートを切ると、2番手の3冠王者ゴードン・シェドン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/チーム・ダイナミクス)と、3番手に浮上したサットンのインフィニティを従え盤石のレース運びを披露。後続のアクシデントも影響なく、そのままの順位で16周のチェッカー。この勝利でターキントンはランキング3位に浮上し、ポディウム獲得の選手権首位サットンは、そのリードを29点としている。
「悪い週末ではなかったけど、慎重にプレーして頭を使ってドライブしなければならなかったため、いつものスタイルではなかった。予選とレース1ではバラストが大きな打撃だったが、この段階で重要なポイントを重ねられてOKだ」と連覇を狙うサットン。
一方、そのレース3でも6位に入り、ランキングでも7位にジャンプアップを果たした僚友モファットは「後輪駆動で最初の勝利を収めたかったし、物事がうまくいくことを望んでいた」と、思惑どおりに進んだ週末に手応えを得ている。
「BTCCで優勝するには何が必要かはわかっているが、数年経っていたから自分自身に大きなプレッシャーを掛けていたんだ。FR初勝利は素晴らしかったが、レース2は、マシン重量のせいでおそらくもっと特別だった。最大のバラストでドライブする方法を学ばなければならず、それが血まみれのハードワークだと理解した(笑)」
「(従来、その状態で勝利を飾る)アッシュの経験を全面的に活用させてもらったよ」
2021年も残すは3戦となったBTCCは、続く第8戦シルバーストンをバック・トゥ・バックの連戦に指定し、この週末となる9月25~26日に開催。同ラウンドでは、来季2022年の本格導入を予定する共通ハイブリッド機構搭載のテストカー『トヨタ・カローラBTCC(現『トヨタ・カローラGRスポーツ』)』が、元王者アンドリュー・ジョーダンのドライブで実戦参加を果たす予定となっている。



