「前戦(クロフト)でも最速の可能性を感じてはいたが、わずかなエンジン不調でそれを実現することはできなかった。でも今日は『よし、それを気にしても仕方がない。自分自身を最大限に活用し、クルマの性能を最大限に引き出そう』とだけ考えたんだ。最後は0.016秒差と超接近戦だったけど、ついにやったね!」
一方、2013年王者ジョーダンがステアリングを握ったトヨタ・カローラBTCCハイブリッドは、慎重に計画された継続的テストおよび開発サイクルの一部として、システム向けにレースウイークの“予行演習”として参戦。それでも全体30台中で20番手のタイムを記録して予選を終え、計画どおりピットレーンからスタートを切ることとなった。
明けた日曜のレース1は、直前のサポートレースで路面にオイルが落ちたことや、一部濡れたウエットパッチが残る難コンディションでスタートが切られると、フロントロウに並んだ2番手イングラムのヒュンダイがカローラを捉えてターン1へ。
しかし後方集団でアクシデントが発生し、ブッチャーの僚友サム・スメルト(トヨタ・カローラGR SPORT/TOYOTA GAZOO Racing UK)と、今季BTCC復帰を果たした3冠王者ゴードン・シェドン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/チーム・ダイナミクス)がコースオフからリタイアを喫したことで、イエローフラッグが掲示される。
この一瞬の間隙を突いたブッチャーは、まだ黄旗が振られる3周目のブロックランズ進入でイングラムに並ぶと、早々にリードを奪還。この動きが後に『黄旗中追い越し』の審議対象になったものの、最終的にはお咎めなしの裁定に。
その後、22周のリードを守り切ったブッチャーが“ライト・トゥ・フラッグ”を決め、2位イングラムの背後にはスタートの攻防で5番手から上がってきたダン・ロイド(ヴォクスホール・アストラBTCC/エイドリアン・フラックス・ウィズ・パワーマックスド・レーシング)が続き、ヴォクスホールで初の表彰台を得ている。


