序盤こそリバースポール発進のステファン・ファース(タンクプール24レーシング/スカニア)が先頭を守ったものの、レコードライン上が“グリーン”になるにつれ、このグッドイヤーカップ登録のドライバーはランキング上位勢の速さに対抗することが難しくなり、2017年王者のアダム・ラッコ(バギラー・レーシング/フレイトライナー)を筆頭に、キス、レンツが表彰台争いを繰り広げる。
前戦でようやく今季初勝利を手にしたチェコ共和国出身の元王者ラッコは、終盤までフレイトライナーを首位に留め続けたものの、背後に迫るキスが巧妙なラインで相手を誘うと、アウト側に膨らんだ先頭走者は背後のマンほどにトラクションが得られず。
これで首位に躍り出たキスが今季7勝目を手にし、ラッコ、レンツとチャンピオンシップのライバルたちが脇を固める表彰台となった。
連日の雨模様で始まった日曜も、朝からキスのスピードは衰えることを知らず。レンツ、ハーンを抑えてポールを獲得すると、オープニングのレース3で後続に6秒差をつける独走劇を演じて今季8勝目。2位のレンツ、3位ハーンに対してさらに選手権リードを拡大するリザルトを手にした。
わずかに日差しの戻った午後のレース4は、リバースポールのシェーン・ブレルトン(アポロタイヤ・TORトラック・レーシング/マン)に対し、背後の3番グリッドから発進したアンドレ・クルシム(ドント・タッチ・レーシング/イヴェコ)が一閃。
2番手に落ちたブレルトンが背後のラッコ、レンツ、キスらタイトルコンテンダーたちを抑えている間に、クルシムは1.4秒のマージンを稼いで今季2勝目を達成し、レース終盤まで毎周ポジションを入れ替えながらの壮絶なバトルを演じた3台は、お互いのトラックにダメージを抱えながらも、ラッコが最後のポディウムスポットを奪う結果となった。
この週末により、2勝を挙げた選手権リーダーのキスが175点までポイントを伸ばし、2位に149点のレンツ、3位に146点のラッコと続くオーダーに。同じく110点のアルバセテを挟み、107点の5位に続くハーンにとっては、タイトル防衛と前人未到7冠目が厳しい情勢となってきた。
この後、ETRC一行は休む間もなく連戦のスペインへと向かい、10月2~3日のハラマ・サーキットでシーズン最後から2番目のラウンドに挑むことになる。



