続く13時20分開始のレース2では、トラック上も乾きドライ路面での勝負となるも、ダールグレンの勢いは衰え知らず。ポールシッターのアンドレアスをスタートで仕留め、アウディの前でターン1に向かったパープルのクプラは、そのまま独走状態へ。
失意のアンドレアスはスロースタートで6番手まで落ちると、5周目にはドライビングエラーでサンドトラップに沈みセーフティカー出動の引き金となるなど、決勝では2戦連続で見せ場を作ることができず。
ライバル不在となったダールグレンは、この連勝で2020年にロブ・ハフに奪われていたチャンピオンの座を奪還するとともに、シーズン最多10勝に到達して新記録を樹立。自身3度目の戴冠で、スウェディッシュ時代を含め複数のSTCCタイトルを保持する4名のドライバーのうちのひとりとなった。
「こんな記録づくめの結果は純粋に“魔法”のようだ! チームとしての僕らが達成した偉業に心から満足し、誇りに思っているよ」と喜びを語った王者ダールグレン。
「僕らは冬のあいだの懸命な努力により、ドライ、ウエット、ミックスコンディションのいずれでも強さを発揮することができる。今日もそこは問題にならなかったし、なんとも言えない気持ちと心地よさだ。ただただ幸せだよ」
そしてリバースグリッド採用となる週末最後のレース3は、中段からスタートを切ったダールグレンの相棒、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が躍進。早々2周目にマティアス・アンダーソン(リンク&コー03 TCR/MA:GP)を仕留めて2番手を奪うと、続く周回でリバースポールシッターのアイザック・アーロンソン(アウディRS3 LMS/ブロバレン・デザイン)をパスして首位浮上に成功。そのままダールグレンを従え1-2フィニッシュを飾ったPWRレーシングが、チームタイトルも獲得する結果となった。
「最後の最後でとても良い感じね! 昨日の予選では本当に苦労したから、日曜はなんとか挽回したいと思っていた」と、2021年初優勝を飾ったコチュリンスキー。
「そして今、ロバートと一緒にチームのチャンピオンシップを獲得したのも素晴らしいこと。6番手から勝てるクルマを用意してくれたPWRのみんなに心から感謝している」
これで両タイトルが決まり、ドライバーズランキングでも2位につけるコチュリンスキーは、同3位のブリンクに対し11点差とした状況で、続く次週10月9~10日の最終戦リング・クヌットストープに挑むこととなった。


