更新日: 2021.10.11 15:46
宿敵ジロラミは予選トラブルに沈む。曲芸“1Day”参戦のアズコナが2度目の王者に/TCRヨーロッパ最終戦
そのまま土曜15時40分にスタートを迎えたレース1は、アズコナの背後でタウフィクのヒュンダイを仕留めた予選3番手のテディ・クレーレ(プジョー308 TCR/チーム・クレーレ・スポーツ)が2番手に浮上したものの、アズコナはクリーンにターン1へと向かいホールショット。
さらに背後では、フェリーチェ・ジェルミニ(ヒュンダイ・エラントラN TCR/セバスチャン・ローブ・レーシング)が“遠征組”トム・コロネル(アウディRS3 LMS/コムトゥユー・レーシング)に追突し、もう1台がグラベルに捕まったため、ここでセーフティカーが導入される。
トラブル車両の回収に5周を費やし、14周まで延長されたレースが再開されると、上位勢に大きなポジション変動が起こることなくチェッカーフラッグに。テディのプジョーとタウフィクのヒュンダイを従えたアズコナが、地元で自身2度目のシリーズチャンピオン獲得を決めてみせた。
「とてもとても幸せな気分だ。レースは最初のうちテディが激しくプッシュしてきたけど、終始快適にドライブすることができたよ」と、パルクフェルメで喜びを爆発させたアズコナ。
「ミスをしないように、縁石を越えないように、技術的な失敗を避けるように集中し続けた結果、落ち着いて勝利を収めることができた。勝つ必要がなく10位フィニッシュでOKだったけれど、静かなレースを勝利で飾ることができた。今はひとつ肩の荷が降りたような気分だ」と、2018年の初タイトル時には未勝利での戴冠だった新チャンピオン。
一方、後方グリッドから巻き返しを期したジロラミは、15番グリッドまで挽回したところで接触を喫する結果に。タイトル挑戦の夢は実質的に予選トラブル時点で散っていたものの「今季と今週末の自分の仕事を誇りに思う」と、ランキング2位でシーズンを終えている。
そしてチャンピオンがチェコ共和国へと戻った日曜レース2には、このレースからボルケーノ・モータースポーツに移籍し、アズコナの僚友としてクプラ・レオン・コンペティションTCRにスイッチした『FIA Motorsport Games(モータースポーツ・ゲームス)』初代TCR王者、ロシア出身のクリム・ガブリロフがシリーズ初勝利を飾っている。