これで残るラップを3番手ハーンとのタイムギャップ構築に集中したキスは、クリーンエアのアドバンテージも活かして2番手レンツと約2秒、3番手ハーンとは約7秒のマージンを築いて12周のチェッカー。最終的に1ポジションダウンに留まったキスが数字上1点差でレンツの手の届かない領域に到達し、週末3ヒートを残してチャンピオンシップタイトルを獲得する結末となった。

 タイトル決定後のリバースグリッド戦となったレース2は、後方から迫るハーン、キス、レンツ、そしてラッコらの強豪を抑え、前戦でキャリア初勝利を挙げたフロントロウ発進のテオ・カルヴェ(バギラ・レーシング/フレイトライナー)が躍動。

 終始トップ10圏内が5秒差、各トレーラーヘッド間のギャップが0.5秒範囲という緊迫の接近戦が続くなか、カルヴェは7周目まで首位を守り抜く。さらにハーンにリードを奪われた後も新王者キス以下、レンツ、ラッコを抑えて2位フィニッシュを果たす大健闘をみせた。

 明けた日曜も、午前の予選とスーパーポールは新チャンピオンの独壇場となり、この日も2番手となったレンツに対し、コンマ5秒の大差をつける2分00秒985のフライングラップでシーズン10回目のポールポジションを手にする。そのままレース3はキスが“ライト・トゥ・フラッグ”での圧勝劇で年間11勝目を挙げ、2位ハーン、3位アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)の表彰台となった。

 そして迎えた2021年最終ヒートは、繰り上がりのリバースポールを手にしたシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)と、レネ・ラインアート(レイナート・レーシング/イベコ)の“元師弟コンビ“がフロントロウから発進すると、4番手から出たレンツがターン3までにイベコ軍団を仕留めて、そのまま10秒以上もマージンを築いていく。

 しかし残り1周の時点で12番手を走行中だったアリーヤ・コロック(バギラ・レーシング/フレイトライナー)がターボトラブルに見舞われ大量の白煙を上げストップしたことで、レースディレクターは赤旗中断とともにレース終了を宣言。レンツが意地の最終ヒート勝利を達成し、2位ハルム、3位ラインアートとポディウム登壇者全員がドイツ人ドライバーのフィナーレとなった。

日曜も午前の予選とスーパーポール、そしてレース3は新チャンピオンの独壇場に
日曜も午前の予選とスーパーポール、そしてレース3は新チャンピオンの独壇場に
赤旗で短縮決戦となったレース4は、サッシャ・レンツ(SL Trucksport 30/MAN)以下ドイツ人が占拠する結果となった
赤旗で短縮決戦となったレース4は、サッシャ・レンツ(SL Trucksport 30/MAN)以下ドイツ人が占拠する結果となった

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