「こうしてデビューレースでポールポジションを獲得できてとてもうれしい。ラップごとにクルマに順応できたし、素晴らしいチームワークだった。明日はどうなるかまだ見極める必要があるけど、今のところ順調に進んでいるよね」と語ったフラネトヴィッチ。
その言葉どおり、開けた日曜の現地午前9時にスタートしたレース1は、小雨が舞うコンディションのなか濃い青をまとうリンク&コー03 TCRが盤石のレースを披露。
背後では7番手スタートのオリオラが一時はフラッカーを仕留めて2番手まで上がるものの、最終ラップ最後のコーナーで再逆転を許す劇的な展開で決着し、無傷の17周を終えたフラネトヴィッチがデビュー戦でのポール・トゥ・フィニッシュを達成。2位フラッカー、3位オリオラの表彰台に、ホンダのサパーグとラファエル・レイス(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/W2レーシング)が続くトップ5となった。
続いて前日の予選トップ10リバースが採用されたレース2は、ロイ・ブロック(アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR/KMWモータースポーツ・ウィズ・プロップカー) が先頭でスタートを切ると、すぐさまオリオラが主導権を奪取してターン1へ。しかしその背後でレイスらが絡んだマルチクラッシュの煽りを受け、オリオラも巻き添えとなりセーフティカーが導入される事態となる。
すぐさまリスタートが切られたものの、このアクシデントを誘発したとしてアウディのバプティスタがペナルティを課されると、終盤に強まった雨脚や首位バトルの間隙を突き、フラッカーがリードを奪うことに成功。フラネトヴィッチとその僚友エルネスト・ベッソーネ(リンク&コーCo 03 TCR/PMOモータースポーツ)を従え、こちらもシリーズ初勝利を手にした。
「とても良いレースで、多くのバトルがあったね」と喜びを語ったヒュンダイのフラッカー。「序盤には多くの“事件”を回避できたし、目まぐるしく状況が変化する中でもレースペースは素晴らしかった。今シーズン残りの準備が整ったね」
この結果、4位フィニッシュを果たしたオリオラが188点として10点差でバプティスタの逆転に成功。続く第6戦は、11月13~14日に前述のとおりブエノスアイレスにゲストペアを招いての耐久戦が予定されている。

