そのままルノー・フルーエンスGTはトヨタ艦隊に迫ったものの、モスカルディーニは巧みなディフェンスラインでこれを封じ、前を行く2台の護衛役をまっとうしてチェッカー。

 この結果、バリチェロが盤石のレース運びで今季初勝利を飾り、ビビアン、モスカルディーニのトヨタ・カローラSTC2000が表彰台を占拠。4位でフィニッシュラインを通過したペーニャは、やはり「ラヴァーに対する危険な操作」によりタイム加算ペナルティが科され、2ポジションダウンの6位に。代わってエースのカナピノを前に行かせたシボレー勢の2台が、獲得ポイントを積み増す結果となった。

 明けた日曜9時からの“フルタンクテスト”を経て、迎えた午前11時50分からのフィーチャーレース。スタンドには大観衆が詰め掛けるなか、40分+1ラップの勝負に向け首位発進を決めたバリチェロだったが、ここでグリッド停止位置を問題視したレースコントロールから「スタートボックスの制限を尊重しなかった」として、ブラジルの“鉄人”に対し無情のピットスルー・ペナルティを言い渡す。

 さらに背後にいたトヨタの2台も、スタート直後に3番手モスカルディーニがビビアンのリヤを“擦った”せいで2番手のカローラSTC2000はたまらずスピン。これがセーフティカーの引き金となり、TGR艦隊は早くも崩壊する形となってしまう。

 これで首位を引き継いだのがシボレーのラヴァーで、ルノーのペーニャと自陣のエース、カナピノを引き連れてゴールラインへ。しかしここでも3位フィニッシュのカナピノに対し「スタートボックスの制限を尊重しなかった」との裁定が下り、代わってホンダのアルドゥソが3位を継承する結果に。

 その波乱を横目に勝者ラヴァーには不幸が降り掛かることもなく、ポジションを譲った前日の借りを返す今季初優勝を手にしている。

 これでランキング首位カナピノは188点とし、2位ペーニャが178点で追随。以下129点のジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)、124点のアルドゥソが追い、トヨタのエースであるマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)は、この週末の不調で123点に留まり5位へと後退。シーズン最終戦”グラン・プレミオ”として開催のブエノスアイレス、オスカー・ファン・ガルベスでのタイトル決定戦は、11月27~28日の週末に雌雄が決することとなる。

“鉄人”バリチェロが、2年目の”世界最速FFツーリングカー”で通算3勝目を手にした
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週末を通じてスピードを維持したシボレー勢は、日曜にベルナルド・ラヴァー(シボレーYPFクルーズ)が今季初勝利
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土曜は荒れ気味のレースを見せた2019年チャンピオンのリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)は、日曜の2位で選手権上のギャップを詰めることに成功した
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