更新日: 2021.12.07 16:36
レコード更新PP獲得のモスタート組がグレートレース完全制覇/RSC最終戦バサースト1000
日曜現地時間12時15分にスタートが切られた今季最後の決勝は、フィールドのほとんどがコドライバーにファーストスティントを託すかたちで始まると、まずはパスカーレとペアを組むトニー・ダルベルトがホールショットを奪う展開に。
しかし冷静にライバルの動きを見極めたポールシッターのホールズワースは、オープニングラップの山側セクションですぐさま首位を奪還。背後にはSVGと強力タッグを組むガース・タンダーが続く展開となる。
その後、序盤戦は静かな展開で推移していくも、波乱が巻き起こったのはレース開始2時間が経過した頃。首位のバトンを引き継いでいたモスタートは、2番手ウォーターズに対して13秒程度のマージンを構築したが、次のルーティンピットに向かおうとしたその直前、49周目の“山頂”を通過した際に左のリヤタイヤがトレッド剥離を引き起こし、まさかのスローダウン。ウォーターズ/ジェームス・モファット組のマスタングに首位を明け渡すこととなる。
レース中間の折り返し地点では今季チームタイトル確定済みのトリプルエイト・レースエンジニアリング888号車SVG/タンダー組が隊列を率いると、25号車モスタート/ホールズワース組は一時30秒近く背負ったビハインドを挽回すべく猛チャージをみせる。そして4時間経過で2度目のセーフティカー(SC)が出たことを機にギャップが消えると、タイヤトラブルを克服して首位奪還を成し遂げる。
その後、都合4回のSC出動でもリスタートを制した25号車が、ウォーターズ/モファット組に3.3795秒差のマージンを持って161周を走破。タイヤ剥離の波乱も乗り越え、モスタートは2014年以来となるバサースト2勝目、ホールズワースは出走18回目にして初の栄冠を手にした。
「本当にかなりタフなレースだった。僕らがパンクを喫したときにはまず『今日はツラい仕事になりそうだ』と思った。でもみんなのお陰で、このクルマは週末を通じて一貫したスピードを発揮してくれたんだ」と、喜びを語ったモスタート。
「僕らはポールでスタートし、レースに勝った。ポールでスタートするたび勝てるとは思わないが、それこそがクルマへの信頼であり、チームへの信用でもあるんだ。そして熱狂的ファンがトラックに戻ってくるのはとても良いことだ、息切れするほど全力で走ったよ」
2位ウォーターズ/モファット組に続き、3位にはブロディ・コステッキ/デビッド・ラッセル組(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)が並ぶ表彰台となり、現役ラストランのウインカップ/クレイグ・ラウンズ組が巻き返しの4位に。そして終始、レースリーダーを脅かし続けたSVG/タンダー組は中盤にダッシュパネルの表示に不具合を抱えたのち、最後はタイヤトラブルにより下位に沈むなど、新チャンピオンには苦い最終戦結果となっている。