これにより、TCRヨーロッパは2021年の暮れに先行してクムホの採用をアナウンスしたTCRデンマーク、TCRスペイン、TCRイースタン・ヨーロッパと並んで、2022年にクムホタイヤを使用する4番目のシリーズに名乗りを挙げた。
「クムホタイヤがシリーズプロモーターや(TCR統括団体の)WSCと協力し、特注のTCRタイヤを新規開発、製造することは、大きな先見性を示していると思う。重ねて、2021年シーズンにハンコックタイヤが協力してくれたことにも感謝したい」
また、2021年までの予選システムに対するポイント獲得方法にも変更が加えられ、最終予選結果のトップ10ドライバーが、ポールポジションの10点から順に得点を加算していた方式を見直し、予選のQ1とQ2両方のフェイズでポイントが付与されることに。
これまでQ1はリバースグリッド確定のみの位置付けでポイント獲得がなかったことから、各ドライバーはレース2のポールを確保するため戦術的なアプローチを採用する事例が散見されていた。
改訂されたスポーティングレギュレーションでは、Q1の上位6名に6~1点でポイントを付与し、Q2では上位5名に10、7、5、4、3点が割り当てられる。レース自体のポイントシステムに変更はないものの、これにより予選でのポイント獲得が最終的なランキングに大きく影響を及ぼすことが期待される。
また、2021年にはブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンを舞台に初年度シーズンを開催し、国際シリーズ経験者のぺぺ・オリオラが初代王者を獲得したTCRサウスアメリカだが、今季2022年の新チャンピオン獲得者に対し、2023年中に1戦限定でTCRヨーロッパへのゲスト参戦枠を提供することも決定。
TCRサウスアメリカのゼネラルマネージャーを務めるフェデリコ・プンテリは「TCRサウスアメリカを立ち上げた瞬間から、これはヨーロッパと北米、そのほかのTCRシリーズに向け、ラテンアメリカのドライバーやチームの参加を促進する理想的なプラットフォームであると主張してきた」と、早くも結実したコラボレーションの成果を歓迎するコメントを残した。
「TCRサウスアメリカでは、新王者のオリオラを筆頭に初年度から、サンティアゴ・ウルティア、トム・コロネル、エステバン・グエリエリ、そしてネストール・ジロラミなどが参加してきた。参戦ドライバーに対し、自分自身を国際レベルで測定する機会を提供できたことをとてもうれしく思っているよ」


■TCRヨーロッパ・シリーズ2022年暫定カレンダー
ラウンド 開催日 開催地(併催)
Rd.1 4月30~5月1日 ポルティマオ(DTM)
Rd.2 5月21~22日 ポールリカール(GT Open)
Rd.3 6月18~19日 スパ・フランコルシャン(GT Open)
Rd.4 7月2~3日 ノリスリンク(DTM)
Rd.5 8月27~28日 ニュルブルクリンク(DTM)
Rd.6 9月23~25日 モンツァ(GT Open)
Rd.7 10月15~16日 バルセロナ(GT Open)