一方、JASの技術責任者を務めるマッズ・フィッシャーも、強豪チームとの新たなるパートナーシップに「興奮している」と期待を寄せた。
「我々も、彼らのような確立された実力派チームと組めることは待望の瞬間だ。ここ数年、彼らとのジョイントに関して熱心に協議してきたし、リキモリ・チーム・エングストラーのような血統を持つチームが参加するのは素晴らしいことだね」とフィッシャー。
「WTCRでホンダ・シビック・タイプR TCRを走らせるという彼らの決定は、世界戦で通算20勝以上を記録し、5年目のシーズンに向け今なお、競争力を維持するマシンに対する真の自信の表れでもある。同時に、我々JASモータースポーツのカスタマーサポートへの信頼でもあるんだ。2022年シーズンにさらに成功を収めることを目指し、彼らのサポートができるのを楽しみにしている」
こうしてWTCRではミュニッヒ・モータースポーツから2台を引き継ぎホンダ陣営に加入するチーム・エングストラーだが、FK8シビックはTCRドイツでも使用することが確認され、チームのマーケティング・ディレクターを務めるピーター・バウマンは「来季から始まるグローバルなホンダ・モータースポーツ・プログラムに参加できることを非常にうれしく思う」と意気込みを述べた。
「我々としても、ホンダとともに企業価値をうまく活用することができると確信している。フランツ(・エングストラー代表)率いるチームのモータースポーツでの専門知識と情熱により、ホンダと一緒に働くことの喜びは非常にうまく調和し、ホンダとリキモリのブランドだけでなくスポーツの面でも望ましい成功に繋がるはずだ」
そのTCRドイツで新チャンピオンに輝いたチームの御曹司ルカ・エングストラーは、2022年に向けアウディスポーツとの契約をアナウンス。昨季のWTCRでもヒュンダイをドライブした21歳の若手有望株は、ツーリングカーでそのままアウディ陣営に移籍するとは考えられておらず、GTへのステップアップに照準を合わせていると見られる。
「アウディのような素晴らしいブランドで働くことは、僕にとっても大きな夢だった」と、自身のSNSを通じてコメントしたルカ・エングストラー。
「キャリアの次のステップを実現するため、GT3の世界でアウディをドライブし、レースを戦うという僕の夢を具現化するのを助けてくれた、すべての家族、友人、パートナーに感謝したいと思っている」


